高齢の股関節骨折患者の術後短期および長期死亡率に及ぼす心不全の影響

大腿骨頸部骨折5.png<ハイライト>
・術後 30 日、60 日、3 ??ヶ月、6 ヶ月、1 年の累積死亡率は、非 HF群でそれぞれ 1.6%、3.6%、5.1%、8.4%、12.9% であり、HF 群では 5.7%、9.5%、12.4%、17.1%、25.2% であった(p≦0.001)。
・1 年死亡率に影響を与えた要因は、性別(OR、2.10; 95%CI、1.62?2.72; p<0.001)と年齢(OR、1.04; 95%CI、1.02?1.06; p<0.001)、HF(OR、1.62; 95%CI、1.45?1.86; p=0.005)であった。
・サブ群分析では、30 日死亡率に影響を与える要因は中程度から重度の HF のみであった(OR、4.01; 95%CI、1.10?8.78; p=0.009)。
・高齢の股関節骨折患者では、HF 患者と非 HF 患者の比較により、HF は最低 1 年の経過追跡で死亡の独立した要因であることが明らかになった。
・股関節部骨折患者では LVEF により分類される LV 収縮期機能障害の重症度も、30 日の死亡の危険因子であった。

<要旨>
心不全(HF)のある高齢股関節骨折患者とない患者を比較研究を計画した。本研究の目的は、1)HF の有病率を評価し、2)HF 患者と非 HF 患者の高齢股関節骨折後の早期および後期死亡率を比較し、3)HF のある高齢患者で股関節骨折後の死亡の危険因子を評価することであった。さらに、著者らは、サブ群分析により、4)HF 患者の左室駆出率(EF)で分類した左室(LV)収縮機能障害の重症度に応じて死亡率に差があるかどうかも調査した。

・本研究には、片側大腿骨頸部または転子間骨折があると診断され、2004 年 1 月から 2018 年 6 月までに 2 つの病院で手術を受けた 1992 人の患者(1992 件の股関節)が含まれた。患者は非 HF 群(1782 人の患者)、HF 群(210 人の患者:軽度[119 人の患者]、中程度から重度[91人の患者]の HF サブ群)に分類された。累積粗死亡率を計算し、30 日、60 日、3?? ヵ月、6 ヵ月、1 年の死亡率を非 HF 群と HF 群で比較した。ロジスティック回帰分析を実施して、死亡率に関連する独立要因を特定した。

1992 人の患者のうち、210 人(10.5%)が HF と診断された。非 HF 群の 30 日、60 日、3 ??ヶ月、6 ヶ月、1 年の術後累積死亡率はそれぞれ 1.6%、3.6%、5.1%、8.4%、12.9%であり、HF 群では 5.7%、9.5%、12.4%、17.1%、25.2% であった(p≦0.001)。1年死亡率に影響を与えた要因は、性別(OR、2.10; 95%CI、1.62?2.72; p<0.001)と年齢(OR、1.04; 95%CI、1.02?1.06; p<0.001)および HF の存在(OR、1.62; 95%CI、1.45?1.86; p=0.005)であった。サブ群分析では、30 日死亡率に影響を与える要因は中程度から重度の HF のみであった(OR、4.01; 95%CI、1.10?8.78; p=0.009)。

・高齢股関節骨折患者では、HF 患者と非 HF 患者の比較により、HF は最低 1 年の経過追跡での死亡の独立因子であり、股関節骨折患者の LVEF によって分類される LV 収縮機能障害の重症度もまた 30 日死亡の危険因子であることが明らかになった。
POINT中等度から重症の心不全は、股関節骨折高齢患者の短期的、長期的死亡の独立予測因子である。

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