術後肺合併症を予防するための術中換気戦略:無作為化対照試験のネットワークメタ分析

麻酔器2.png・手術患者の肺保護換気戦略に関する議論は進行中である。エビデンスは、低一回換気量 VT の使用が臨床転帰を改善することを示唆している。ただし、低 VT 換気に組み込まれた PEEP と肺加圧操作(RM)戦略の最適値は不明のままである。

・いくつかの電子データベースを検索して、低 VT 戦略と従来型人工呼吸(CMV)の比較、または手術患者の 2 つの異なる低 VT 戦略の比較に焦点を当てた RCT を特定した。主要評価項目は、術後肺合併症(PPC)であった。副次評価項目は、無気肺、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、短期死亡率であった。ベイジアンネットワークのメタ分析は、WinBUGS を使用して実行された。オッズ比(OR)と対応する 95% 信頼区間(CrI)が推定された。

CMV と比較して、中程度から高度の PEEP による低 VT 換気は PPC のリスクを低下させた(中程度の PEEP[5-8 cm H2O]:OR 0.50[95%CrI:0.28、0.89]、中程度の PEEP+RM:0.39[0.19、0.78]、高い PEEP[≧9cm H2O]+RM:0.34[0.14、0.79])。中〜高 PEEP+RM による低 VT 換気も、CMV と比較して無気肺のリスクを明確に低減した(中程度 PEEP+RM:OR 0.36[95%CrI:0.16、0.87]と高 PEEP+RM:0.41[0.15、0.97])のに対して、中程度 PEEP を伴う低 VT 換気は肺炎リスクの低減において CMV より優れていた(OR 0.46[95%CrI:0.15、0.94])。

低 VT 換気と中〜高 PEEP(≧5cm H2O)の併用は、全身麻酔を受ける手術患者に肺保護をもたらすようである。
POINT術中の低一回換気量と、中等度以上(>5cm)の PEEP の併用を行うべきである。肺合併症が半分以下になる。
【出典】
Intraoperative ventilation strategies to prevent postoperative pulmonary complications: a network meta-analysis of randomised controlled trials.
Br J Anaesth. 2020 Jan 29. pii: S0007-0912(19)30967-5. doi: 10.1016/j.bja.2019.10.024. [Epub ahead of print]

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