股関節骨折患者における有害心イベントの危険因子: NSQIP データの解析

Risk factors for adverse cardiac events in hip fracture patients: an analysis of NSQIP data
Int Orthop. 2015 Jul 21. [Epub ahead of print]

・心血管系合併症は、股関節骨折患者の罹患率と死亡率の原因となる。術後合併症の危険因子を調査したデータは、比較的少ない。米国外科学会手術の質向上(ACS-NSQIP)データベースを使用して、著者らは、股関節骨折患者における有害心イベントに関連する重要な危険因子を同定し、整形外科臨床医のために推奨事項を提供する。

・2006 年から 2013 年までの股関節骨折患者 27441人のコホートは、通用手技用語集コードを使用して同定された。心臓合併症は、術後 30 日以内に発生した心停止または心筋梗塞と定義された。30 を超える患者および手術要因について二変量解析を実施して、心臓イベントとの有意な関連性を調査した。その後、多変量ロジスティック分析を実施して、心臓イベントを最も予測するリスク因子を決定した。

・27441 人の股関節骨折患者のうち、594 人(2.2%)が術後 30 日以内に心臓合併症をきたした。股関節骨折手術の種類と有害心イベント発生率に関しては有意な関連性は認められなかった(P=0.545)。多変量解析後、透析使用(OR:2.22、P=0.026)、末梢血管疾患(OR:2.11、P=0.016)、脳梗塞(OR:1.83、P=0.009)、COPD(OR:1.69、P=0.014)、心疾患(OR:1.55、P=0.017)の既往は、全ての股関節骨折患者におちて術後心臓イベントの有意な予測因子であった。

・整形外科外傷外科医は、心臓の合併症を予防するためには、患者のリスク判定を行うにあたっては、心疾患の既往や動脈硬化の状態(末梢血管疾患、脳梗塞)に注意する必要がある。心イベントを減少させるための著者らの推奨事項には、単純な術前検査から、本格的な心臓検査、そして存在する特定のリスク要因に基づいて特定の医療分野への紹介が含まれる。

[!]:股関節骨折患者に限ったことではなく、広く高齢手術患者では、術前の動脈硬化状態や血管疾患の既往などが術後心臓合併症の重要なリスク因子となる。

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