腹腔鏡手術を受ける健康な患者のロクロニウムによる筋弛緩からの回復に及ぼす気腹の影響

・本研究では、腹腔鏡下腹部手術を受けた健常な患者で、ロクロニウムによる深い筋弛緩からの回復に及ぼす気腹の影響を調べた。

・腹腔鏡下腹部手術を受ける 30 人の成人患者を研究した。プロポフォール 1.5mg/kg、アルフェンタニル 12ug/kg、ロクロニウム 0.6mg/kg で麻酔を導入し、2vol% セボフルラン、レミフェンタニル 0.05-0.2μg/kg/分で維持した。筋弛緩は、TOF と PTC でモニターした。深い筋弛緩のために気腹後 30 分でロクロニウム 0.2mg/kg を追加投与した。気腹前(PPpre)と気腹後 30 分(PPpost)で、PTC を 6 分間隔で測定した。PTC と T1 反応の再出現までの時間間隔との関係が観察された。

・PTC 4 の検出から TOF 刺激に対する最初の反応までの時間間隔(平均±SD)は、PPpre と PPpost でそれぞれ 13.0±1.1 分と 16.4±6.3 分あった(P=0.20)。観察された PTC と、T1 反応再出現までの時間間隔との間に有意な負の関係があった(PPpreデータでは、R(2)=0.869、P<0.001、PPpost データでは、R(2)=0.561、P<0.001)。平行性の検定を用いて PPpre とPPpost データの回帰式の差を比較すると、統計的有意差はなかった(P=0.193)。

・本研究は、腹腔鏡下腹部手術を受ける健康な患者において、気腹圧 13-14mmHg の気腹は、ロクロニウムによる強い筋弛緩からの回復に影響しないことを示した。
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[!]:統計的に有意差はないと言っても、PTC4-TOF1 時間は非気腹時には 13 分なのに気腹中は 16 分へと延長している。気腹による肝血流低下→ロクロニウム代謝減少→作用時間延長をきたすのだろう。

【出典】
Effect of pneumoperitoneum on the recovery from intense neuromuscular blockade by rocuronium in healthy patients undergoing laparoscopic surgery.
Korean J Anesthesiol. 2014 Jul;67(1):20-5. doi: 10.4097/kjae.2014.67.1.20. Epub 2014 Jul 29.

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