経腟分娩に際しての硬膜外麻酔の代替法としてのレミフェンタニル:無作為化試験のメタ分析

・硬膜外鎮痛は分娩時疼痛管理のゴールデンスタンダードと考えられているが、臨床的禁忌または利用可能性のために使用が制限される場合があり、適切な代替選択肢が必要となる場合がある。このメタ分析の目的は、無作為化試験からのエビデンスが、レミフェンタニル PCA(R-PCA)が、従来の硬膜外鎮痛(EA)と比較して母体満足度、鎮痛効力、安全性に有意差をもたらすかどうかを判断することであった。

・R-PCA か、または EA に分娩を割り振り、少なくとも 1 つの興味あるアウトカムを報告する全ての無作為化比較試験(RCT)について、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Library を体系的に検索した後、メタ分析を実施した。2351 例の患者を対象とした R-PCA vs EA の 8 件の無作為化試験が含まれた。関心の主要転帰は母体満足度であった。副作用には、視覚的アナログ疼痛スコア(術後 1、2、3 時間の VAS)、嘔気、嘔吐、掻痒、低酸素血症、急性呼吸抑制、死亡(母体または新生児)、帝王切開の必要性、新生児 Apgar スコアが含まれた。

・無作為化試験のメタ分析は、母体満足度、2 時間または 3 時間の VAS、悪心、嘔吐、帝王切開の必要性、呼吸抑制、臍帯血 pH、新生児の 1分と 5 分での Apgar スコアは、R-PCA 群と EA 群との間に有意差は認められなかった。しかし、低酸素血症の発生率は、R-PCA の方が EA よりも高く(OR 7.48,95%CI 3.42-16.36)、1 時間での VAS はわずかに高かった[WMD 1.33、95%CI 0.30-2.36]。掻痒は、R-PCA 群のほうが低かった[OR 0.54、95%CI 0.32-0.89]。いずれの研究においても急性呼吸不全と死亡は報告されていない。

・母体満足度やほとんどの臨床成績の有意差は認められなかったが、このメタ分析では、既存の少数の無作為化試験による臨床的に重要な差異を除外するには証明能力が不足していた。EA 候補者ではない産科患者の場合、R-PCA は、周産期に鎮痛代替法を提供する可能性があるが、特に低酸素症については注意が必要であり、R-PCA の注意深い観察とモニタリングを強化する必要がある。この集団における R-PCA vs EA の相対的な利益とリスクをより正確に特徴付けるためには、臨床的に関連する母体と新生児の転帰に焦点を当てた、適切に証明能力のある無作為化試験が必要である。

【出典】
Remifentanil as an alternative to epidural analgesia for vaginal delivery: A meta-analysis of randomized trials.
J Clin Anesth. 2017 Jun;39:57-63. doi: 10.1016/j.jclinane.2017.03.026. Epub 2017 Mar 30.

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