《レビュー》 トラネキサム酸と脊椎手術

トラネキサム酸.png当ブログでこれまでに紹介した、脊椎手術とトラネキサム酸に関連した文献をまとめて紹介する。

1.脊椎手術でトラネキサム酸は有効で安全か? 無作為対照試験のメタ分析
6 件(411 人)のプラセボを対照とした無作為比較試験のメタ分析で、トラネキサム酸の使用は、総出血量[MD=-285.35、P=0.01]、輸血必要患者数[RR=0.71、p=0.01]の両方を減少させた。治療群の患者で、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症をきたした患者はいなかった。

2.脊椎手術患者の周術期出血管理におけるトラネキサム酸静脈内投与の有効性についての系統的レビュー
脊椎手術を受ける患者で周術期出血管理におけるトラネキサム酸の静脈内投与の有効性を確認するための 12 件(934 人)の系統的レビューとメタ分析で、術中出血量は、治療群に比べて対照群の方が有意に出血量が多かった(P<0.0001)。

3.複雑脊椎手術におけるトラネキサム酸の最小量投与は出血量減少に有効である:無作為化二重盲式偽薬対照研究
ペティクルスクリューによる後側方固定を伴う椎弓切除術(>2 椎間)適応の 50 人の患者を、トラネキサム酸(15mg/kg)か、生食の術前単回投与に無作為化。術中の総出血量の群間差は有意であった。トラネキサム酸が複雑な脊椎外科手術後の術中・術直後の出血量の両方、輸血の必要性を減らし、入院期間を短縮させることを示唆している。

4.脊椎固定術での低用量トラネキサム酸の予防的投与の効果;無作為臨床試験
トラネキサム酸群(38 人)に、麻酔導入開始時点から 10 分間で 10mg/kg を、引き続き 1mg/kg/h で静脈内点滴投与し、対照群(38人)の患者には生食を投与。術中出血量と輸血必要量を管理する上で、低用量の予防的トラネキサム酸投与は、有意な効果はなかった。

5.脊椎矯正手術を受ける患者で術中出血を制御するための高用量トラネキサム酸の予備調査
トラネキサム酸群(8 人の後方進入椎体切除術患者を含む合計 26 人の患者)と対照群(9 人の後方進入椎体切除術患者を含む合計 33 人の患者)。トラネキサム酸群は、皮膚切開前に 20 分で 100mg/kg の負荷用量を、続いて、皮膚閉鎖が完了するまで 10mg/kg 持続注入した。対照群患者は、同量の生食を注入。高用量トラネキサム酸が効果的に出血量を制御し、輸血必要量を減少させることが示された。

[!]:10mg/kg といった低用量では出血予防効果を認めないことから、投与するのなら 15~20 mg/kg 以上を投与しよう!

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