待機的帝王切開分娩中の脊椎麻酔後低血圧予防のためのノルエピネフリンとフェニレフリンの注入

フェニレフリン.png・脊椎麻酔下の帝王切開分娩時には予防的な昇圧剤は基本的である。本研究の目的は、帝王切開時の注入速度を変えて使用した場合のフェニレフリンとノルエピネフリンの有効性と安全性を比較することである。

・脊椎麻酔下に待機的帝王切開分娩を予定された妊婦を対象として、無作為化二重盲式対照試験を実施した。参加者は、ノルエピネフリン群(n=60)とフェニレフリン群(n=63)の 2 群に割り当てられた。参加者は、それぞれ 0.05 mcg/kg/分と 0.75 mcg/kg/分の速度で、脊椎麻酔後に予防的昇圧薬を投与された。血管収縮薬の注入速度は、母体の収縮期血圧に応じて手動で調整した。両群を、脊椎麻酔後低血圧の発生率(主要評価項目転帰)、徐脈の発生率、反応性高血圧の発生率、収縮期血圧、心拍数、レスキュー昇圧剤消費量、医師の介入回数、新生児転帰について比較した。

・233 人の母体が最終分析に利用可能であった。両群とも脊椎麻酔後低血圧の発生率は同程度であった(32% vs 30%、p=0.8)。ノルエピネフリン群では医師の介入回数が少なかった。徐脈の発生率と反応性高血圧の発生率は、統計的有意性に達することなく、潜在的にノルエピネフリン群の方が低かった(13% vs 21%、P=0.3)および(12% vs 24%、P=0.1)。レスキュー血管収縮薬の消費量、新生児の転帰は両群間で同程度であった。

・手動調整注入で投与した場合、ノルエピネフリンは脊椎麻酔下の帝王切開時の母体 SBP を効果的に維持し、医師の介入回数は少なく、フェニレフリンと比較して反応性高血圧と徐脈の発生率はおそらく低い。

[!]:フェニレフリンは純粋にα作動薬だが、ノルエピネフリンは多少のβ作用もあるので、その方が徐脈の副作用が少なくなる。

【出典】
Norepinephrine versus phenylephrine infusion for prophylaxis against post-spinal anaesthesia hypotension during elective caesarean delivery: A randomised controlled trial.
Anaesth Crit Care Pain Med. 2019 Mar 29. pii: S2352-5568(18)30571-X. doi: 10.1016/j.accpm.2019.03.005. [Epub ahead of print]

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