出血している外傷患者でのトラネキサム酸の早期投与の重要性:CRASH-2無作為対照試験の探索解析

The importance of early treatment with tranexamic acid in bleeding trauma patients: an exploratory analysis of the CRASH-2 randomised controlled trial
The Lancet, Volume 377, Issue 9771, Pages 1096 - 1101.e2, 26 March 2011

トラネキサム酸.png・CRASH-2トライアルは、重症出血のある外傷患者で、トラネキサム酸の早期投与が、死亡、脈管閉塞性事象、輸血に与える影響を評価した。トラネキサム酸は、全死因死亡率を有意に減らした。 トラネキサム酸は線維素溶解を抑制することによりその効果を発揮する考えられるので、我々は出血による死亡に与える影響について探索解析を行った。

・CRASH-2トライアルは、40カ国274病院で行われた。重篤な出血のある、またはその危険に瀕している成人外傷患者20211人は、外傷後8時間以内に、トラネキサム酸群(初期負荷量1gを10分で投与後、8時間かけて1gを投与)か、偽薬群に無作為割付けされた。パック番号以外は同一の、8つの番号をふったパックを含む箱から最も数の少ない治療パックを選択することにより、患者は無作為割付けされた。患者と研究スタッフ(現場の調査者とトライアル調整センター職員)は、治療法については知らされなかった。処置までの時間、出血の重症度(収縮期血圧、GCS、外傷の種類によって評価された)にしたがって、出血による死亡に与えるトラネキサム酸の効果を調査した。全ての分析は、治療目的で行った。

・患者10096人はトラネキサム酸群に、10115人は偽薬群に割り当てられ、そのうち、各10060人と10067人が分析対象となった。 1063人(35%)の死亡は出血死であった。トラネキサム酸の出血死に与える効果は、受傷から治療開始までの時間に従って変化するという強い証拠を得た(相互作用検定;p<0.0001)。早期治療(受傷から1時間以内で)は有意に出血死のリスクを低下させた(トラネキサム酸群の198/3747[5.3%] vs 偽薬群286/3704[7.7%];相対危険度[RR]0.68(95%CI= 0.57-0.82;p<0.0001)。1~3時間に治療が行われた場合も、出血死の危険性を減らした(147/3037[4.8%] vs 184/2996[6.1%];RR 0.79(0.64-0.97;p=0.03)。3時間経ってからの治療は、出血死の危険性を高めるようであった(144/3272[4.4%] vs 103/3362[3.1%];RR 1.44(1.12-1.84;p=0.004)。トラネキサム酸の出血死に与える効果は、収縮期血圧やGCS,外傷の種類によって変わるという証拠は得られなかった。

・出血している外傷患者にはできるだけ早期にトラネキサム酸を投与するべきである。外傷後に遅れて入院した患者では、トラネキサム酸は効果が少なく、有害である可能性もある。

[!]:開心術の心肺前には投与しているが、通常の手術では、「お守り」程度にしか考えていなかったが、そうでもないんだな。今後は、外傷患者では、ぜひトラネキサム酸をしっかり投与してやろう。

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