術後悪心嘔吐を予測するリスク・スコアは臨床的に有用なツールであり全患者に使用されるべきである;反対

Risk scores for predicting postoperative nausea and vomiting are clinically useful tools and should be used in every patient: Con‘life is really simple, but we insist on making it complicated’

European Journal of Anaesthesiology: March 2011 - Vol. 28 -3 - p 155-159

・術後悪心嘔吐(PONV)発生を予測するリスク・スコアは、予防的制吐剤投与の指針としてますます使用されている。最近のコンセンサス・ガイドラインでは、予防的制吐剤の使用は個々の患者のリスクを適切に評価した上で行うべきであるとして、そのようなモデルの使用を推奨している。しかし、証明された有効な制吐手段と、過去数十年間に得られた現在の知識があまり実施されていないことには際立ったギャップが存在する。あり得る1つの理由は、多くの麻酔科医は、特定の患者に、いつ、どの制吐剤を投与すればよいのか迷っているということだ。自由な裁量に任せるのではなく、リスク分類とリスクに応じた予防法に力点が置かれすぎた。

・このレビューの狙いは、日常診療で制吐剤の使用を躊躇させている後者の理論的問題に関する批評を要約することである。制吐治療の指針となるPONVスコアの使用に特別な焦点を当てるべきだ。これらの問題は、過去には十分に取り組まれておらず、PONV予測のためのツールが嘔吐予防戦略の実施を容易にするのか、妨げるのかについての議論に火をつけたいと感じている。

・これら実施上の問題を考慮すると、我々は全患者に多様な制吐プロトコルを自由に使用することを強く推奨する。制吐剤の安全性は優れており、これらの薬の副作用はほとんどが穏やかで一時的である。患者は、これらの副作用からさえ恩恵を被るかもしれない。たとえば、副腎皮質ステロイドは鎮痛補助剤であり、術後期間に気分と回復過程に好ましい影響を及ぼし、ドロペリドールは術後頭痛を抑制する。制吐剤の購入価格は低く、嘔吐予防はおそらく術後疼痛管理とともに、最も低コストで時間のかからない処置により達成可能な、患者満足度に最も大きな影響を与える麻酔の領域であろう。

[!]:副題の「Con」は「反対」という意味である。「Pro」が「賛成」。「pros and cons」=「賛否両論」
確かに、術後患者さんの訴えの大半は「痛み」と「嘔気」である。「制吐剤の副作用は少ないから、リスク・スコアなんてどうでもいいから積極的に予防策を取りなさい。予測因子が1つ増える毎に予防策も1つ増やしなさい。」というくらいのノリだ。

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