甲状腺機能と ICU死亡率:前向き観察研究

Relationship between thyroid function and ICU mortality: a prospective observation study
Critical Care 2012, 16:R11 Published:2012-01-19

・ICU患者で、nonthyroidal illness syndrome (NTIS) は有害事象と関係していると考えられるが、甲状腺ホルモンの ICU患者での臨床転帰予測能ははっきりとしない。本研究は限定しない ICU 患者で、完全な甲状腺指標(FT3, TT3, FT4, TT4, TSH、rT3)の予後的価値を評価するために実施した。

・既知の甲状腺疾患のない一連の患者 480 人の適性を審査して、ICU 在室中経過追跡した。各患者の APACHEⅡスコア、甲状腺ホルモン値、NT-proBNP、CRP を含む前の特性を収集した。主要転帰は ICU 死亡率とした。可能性のある予測因子と転帰との関係について分析した。またAPACHEⅡスコアに追加した甲状腺ホルモンの ICU死亡率予測能についても、純再分類改善スコア(NRI)、統合判別改善スコア(IDI)指標を計算して評価した。

・甲状腺ホルモン指標の中では、FT3 は最大の曲線下面積(AUC) 0.762±0.028 で示されるように ICU 死亡率を予測能が最大であった。FT3 の AUC は APACHEⅡの AUC(0.829±0.022)よりも低かったが、NT-proBNP(0.724±0.030) や CRP (0.689±0.030) よりは大きかった。多変量回帰では、 FT3(標準化β=-0.600、P=0.001)、APACHEスコア(標準化β=0.912, P<0.001)、NT-proBNP (標準化β=0.459, P=0.017)、CRP (標準化β=0.367, P=0.030)が独立して主要転帰を予測することができた。APACHEスコアに FT3 を追加すると、NRI は 54.29% (P<0.001)、IDI は 36.54% (P<0.001).となった。FT3 値は有意に NT-proBNP (r=-0.344, P<0.001) 、CRP (r=-0.408, P<0.001)値と相関していた。

・限定しない ICU 患者で、甲状腺ホルモン指標の中では、FT3はもっとも強力な、そして唯一の独立した ICU死亡率の予測因子である。APACHEスコアに FT3 を加えると有意に ICU死亡予測能を改善できた。

[!]:nonthyroidal illness syndrom;euthyroid sick syndrome,low T3 syndrome とも呼ばれる。NTI は低栄養や各種全身性疾患や外科手術・外傷後、ある種の薬物投与に伴って認められる状態で、甲状腺自体には異常がないにもかかわらず FT3 値が低下する。

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