右内頚静脈への 4 段階の異なる気道陽圧の効果

Effects of four different positive airway pressures on right internal jugular vein catheterisation
European Journal of Anaesthesiology: May 2012 - Volume 29 - Issue 5 - p 223-228

・大きな手術を受ける患者の中心静脈カテーテル留置には、右内頚静脈(RIJV)が、しばしば使われる。このルートの有効性は、気道内圧によって影響を受ける静脈の直径と関係がある。本研究の目的は、人工呼吸下の患者で 4 種類の気道内陽圧(PAP)を調査して、RIJV カテーテル留置のために最適な圧を決定することであった。

・全身麻酔下に消化管手術予定の患者 240 人(男性:女性=135:105;ASA Ⅰ~Ⅲ;年齢 19~81歳)を対象とした、2 つの中国の医療センターでの前向き無作為対照研究である。既往歴に血液病、頚部外傷、RIJVカテーテル留置、重症の心血管疾患、RIJV 血栓症、注射部位感染、気胸、肺ブラがある場合、患者は研究から除外された。患者は、60 人ずつの 4 群に無作為化され、各群は、PAP=0(1cmH2O=0.098 kPa、A 群);15(B 群);20(C 群);25cmH2O(D 群).で、RIJVカテーテル留置を受けた。主要転帰は、PAP 前と中に測定した、中心静脈圧(CVP)と RIJV 横断面積、30 秒以内にカテーテル留置を終えた数、初回穿刺成功数、持続モニターした心拍数と平均動脈圧、局所血腫・気胸・総頚動脈穿刺を含む合併症の発生頻度であった。

・2 人の患者は総頸動脈を穿刺した後除外され、残る 238 人を分析した。C 群と D 群では、CVP と RIJV の横断面積は有意に大きく、30 秒以内にカテーテル留置を終えた数、初回穿刺成功数は有意に多かったが、この 2 群間では差がなかった。A 群、B 群と比較して、C 群と D 群では、低血圧と除脈の頻度が有意に高かった。局所血腫の発生率は、他群に比して D 群で有意に多かった。A 群の 2 例を除く全患者で RIJV カテーテル留置は成功した。

・人工呼吸下の患者では、PAP 20cmH2O が RIJV カテーテル留置の成功に最適であるようだ。この圧では、RIJV の横断面積と CVP が増大し、それによりカテーテル留置が容易となり、結果として穿刺に関連した合併症が少ない。しかしながら、低血圧と除脈を避けるために、注意深い血行動態モニタリングが必要である。

[!]:ここで PAP としているのは PEEP のことであろう。また原文は 「internal carotid artery (ICA) puncture」 とあるが、これは 「common carotid artery (CCA):総頚動脈」の間違いと考えられるので、総頸動脈と訳した。
・穿刺部位局所の血腫は CVP が高いほど大きくなりやすいので、穿刺に成功したらすぐにヘッドダウンを元に戻すか、PEEP 圧を下げるべきである。

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