気管挿管のために気管チューブ以上大きなものは何も入れない!!

 タイトルのような発想で気管挿管ができる挿管器具をあなたはいくつ知っていますか?

 私が知っている方法は、「トラキライト」と「スタイレット・スコープ」、そして「補助器具を使用しないファイバー挿管」の3つである。最終的に必要なもの、つまり「気管チューブ」以上に大きなものを挿入しようとすると、その大きさ故に口腔粘膜に損傷を与える危険性は回避できない。また狭い場所に必要以上に大きなものを入れないといけないとすれば、当然のことながら、大きく開口させないといけないとか、舌や咽頭を圧迫しなくていけないことになり侵襲性は高まるばかりである。

 直接喉頭鏡は、サイズこそ小さいが、使い方を変えれば、簡単に人を殺せるくらいの威力を持たせることができる。そして、声帯を直視しながら気管挿管をするために、かなり強い力で、舌を圧迫しなくてはならない。

 また、ファイバー挿管は、補助器具(たとえば、ファイバー用エアウェイであるとか、介助者による喉頭鏡による喉頭展開など)なしには、なかかな確実なオリエンテーションを得ることは、よほど経験を積まないと困難である。

 だとすれば、そういう意味でもっとも侵襲性が少なく習得の容易な気管挿管法は、トラキライトとスタイレット・スコープではないだろうか。声帯を間接的にも視認する必要性がある場合は後者が適当である。

 近年、多種類のビデオ喉頭鏡が開発されてはいるが、いずれも間接的に喉頭を観察できるという利点は有するものの、その侵襲性は、確実にトラキライトとスタイレット・スコープを上回るものに違いない。

 いろいろな挿管法が年々増えていく中で、真の意味で「低侵襲な気管挿管とは何か?」をもう一度考え直してみませんか。今年の麻酔科学会でも、トラキライトもスタイレット・スコープもほとんど注目されていなかったのが、私にとっては非常に不満であった。

 トラキライトは、製造が中止になったというが、その有用性、低侵襲性、価格性能比の高さが、日常的に気管挿管を行っている麻酔科医にとって十分理解されていない証拠ではないだろうか。

 現在、気管挿管用具で私が望むのは、「トラキライトの製造続行」と、「スタイレット・スコープの低価格化」の2つである。

■ 読んでほしい過去ログ
1.「トラキライト挿管が楽しい! 」

2.「トラキライトの長所・短所 ~個人的見解~ 」

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