心臓手術中のレミフェンタニルは胸骨切開 1 年後の慢性胸部痛と関係している

Remifentanil during cardiac surgery is associated with chronic thoracic pain 1 yr after sternotomy
Br. J. Anaesth First published online: July 24, 2012

・心臓手術後の慢性胸部痛は、多くの患者に影響を及ぼす深刻な状態である。本研究の目的は、患者および術中術後の特性を分析することによって心臓手術患者で胸骨切開後の慢性胸部痛の予測因子を明らかにすることであった。

・心臓術後早期の疼痛の程度について臨床試験に参加した患者 120 人の追跡調査を実施した。慢性胸部痛の存在は、手術 1 年後に、アンケートによって評価された。慢性胸部痛のある患者とない患者が比較された。多変量ロジスティック回帰分析を使って関連が調査された。

・90 人の患者から得たアンケートを分析した。慢性胸部痛は、18 人の患者(20%)から報告された。多変量回帰モデルで、心臓手術中のレミフェンタニル、年齢 69 歳以下、BMI > 28kg/m2 が、慢性胸部痛の独立予測因子であった{それぞれ、オッズ比 8.9[95% 信頼区間(CI)1.6-49.0]、7.0(95%CI 1.6ー31.7)、9.1(95%CI 2.1-39.1)、}。レミフェンタニルを投与された患者(58%(n=52))とレミフェンタニルを投与されていない患者(42%(n=38))と比較して、患者および術中術後特性に差は観察されなかった。レミフェンタニルと慢性胸部痛の関係は、総用量、除脂肪体重と手術所要時間で補正した用量のいずれでも、用量依存性のようであった(傾向の P 値:それぞれ<0.01 と <0.005)。

・心臓手術患者の本追跡調査で、術中のレミフェンタニルは、用量依存性に慢性胸部痛の予測因子となった。本結果を確認するためには、術中レミフェンタニルが慢性胸部痛に及ぼす影響を評価するべくデザインされた無作為研究が必要である。

[!]:レミフェンタニルの使用自体が慢性痛を引き起こすというよりは、レミフェンタニル投与を終了した時に起こる急激なオピオイド離脱が、中枢神経系に強烈な疼痛記憶として長く残るのではないだろうか。

<関連記事>

1. 心臓手術中のレミフェンタニルTCI投与は術後の痛覚過敏を減少させる

2.硫酸マグネシウムは甲状腺切除術を受ける患者でレミフェンタニル誘発性の術後痛覚過敏を防止する

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック