心臓手術後の早期および後期死亡率に及ぼす左室心筋容積増加の影響

Influence of increased left ventricular myocardial mass on early and late mortality after cardiac surgery
Br. J. Anaesth. (2012) doi: 10.1093/bja/aes299 First published online: August 8, 2012

・左室体積(LVM)の増加は、疫学的研究では、心血管の罹患率と死亡率の十分に認識された予測因子であるが、心臓手術後の死亡率に及ぼすその影響は十分明らかではない。LVM インデックス(LVMI)の増加した患者は、30 日と 1 年死亡率が高そうであると仮定した。

・IRB(施設内倫理委員会)承認のもと、844 人の心臓外科患者の術中経食道心エコーのイメージをレビューした。LVMI を米国心エコー学会推奨の公式を使用して計算した。分析した転帰変数は、30 日と 1 年死亡率であった。

・30 日以内の死亡は 28 人の患者(3.3%)に、1 年以内の死亡は、91人の患者(10.8%)に発生した。LVMI の増加と、心臓手術 30日以内の死亡リスクとの間には、ほぼ線形関係が認められた。手術 30 日以内に死亡するオッズ比(OR)は、LVMI 20 g/m2 増加につき 1.15(95% 信頼区間 1.01-1.31)であった。この結果は、年齢、体重、性別、術式、LV 機能、機能状態を調整した多変量解析でも、依然として統計学的に有意であった[20g/m2 増加につき OR=1.36(1.11-1.66)]。LVMI 増加は、1 年死亡率の統計学的に有意な予測因子ではないことがわかった。

・LVMI 増加は、成人心臓手術後の周術期死亡率の強い独立予測因子であるが、収縮面積変化(FAC)で測定される LV 収縮能はそうとは確認されなかった。LVMI と 30日死亡リスクとの関係は、ほぼ線形であった。 さらにまた、LVMI ではなく、FAC の減少が、1 年死亡率の強い独立予測因子であった。

[!]:短期的死亡率は心筋容積が、長期的死亡率は収縮能が左右すると。確かに収縮能が落ちていても全身的酸素需給バランスが取れていれば長期生存も可能であろうが、肥大心筋はちょっとしたことで心筋自体の酸素需給バランスが崩れて致命的となりかねない。

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