重症疾患中の炎症と凝固のマーカーとせん妄の関係

Associations of markers of inflammation and coagulation with delirium during critical illness
Intensive Care Medicine published online 18 August 2012

・本研究の目的は、事前に選択した炎症および凝固マーカーと重症疾患中のせん妄との関係を評価することであった。

・本前向きコホート研究では、人工呼吸を受けている内科 ICU 患者から血液を集め、9 種類の炎症と凝固の血漿マーカーを測定した。患者を、ICU でのせん妄評価法(Confusion Assessment Method for the ICU )を使用して、せん妄について毎日評価した、多変量回帰を使用して、年齢、疾患重症度、セプシスで調整後に、血漿マーカーと後続するせん妄との関係を分析した。

・研究対象患者の年齢中央値 66 歳、APACHE Ⅱ スコア 27 の 138 人の中で、107人(78%)は研究中のいずれかの時点でせん妄状態にあった。炎症マーカーの 2 種類と、凝固マーカーの 1 種類がせん妄と有意に関係していた。共変数で調整後、マトリックスメタロプロテアーゼ-9(MMP-9)とプロテイン C の低い血漿濃度がせん妄と有意に関係しており(それぞれ、p=0.04 と 0.01)、可溶性腫瘍壊死因子受容体-1(sTNFR1)高濃度は、せん妄の確率増加と関係していた。(p<0.01)。C反応性蛋白(p=0.82)、ミエロペルオキシダーゼ( p=0.11)、好中性ゼラチナーゼ関連リポカリン(p=0.70)、D-dimer(p=0.83)、プラスミノゲン活性化因子阻害因子タイプ 1(p=0.98)、Von Willebrand 因子抗原(p=0.65)の濃度は、せん妄と関係していなかった。

・本研究で、MMP-9、プロテイン C、sTNFR1は、後続する ICU せん妄と独立関係していた。これらの結果から、炎症と凝固の特定の面が重症患者のせん妄発症に一役を担っていることが示唆され、これらのマーカーは、ICU 患者を対象とした、さらに大規模な研究で調査されるべきである。

[!]:炎症や凝固の過程で本来健康時には存在しない物質が多量に産生されたり、あるいは消費されて著減したりする物質があり、それらの濃度にしたがって中枢神経系が影響をうける・・・ というのは十分考えられる。これが分かれば、CHDF や補充療法によるせん妄治療ということも可能性があるわけだ。

<関連文献>

1.集中治療領域でのせん妄の疫学;国際的研究

2.重症患者のせん妄:長期的な健康関連QOLと認知機能に及ぼす影響

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