麻酔前評価のためのスクリーニング・ツールとしての経頭蓋ドップラー超音波の可能性:前向き観察研究

Transcranial Doppler sonography as a potential screening tool for preanaesthetic evaluation: a prospective observational study
European Journal of Anaesthesiology: October 2012 - Volume 29 - Issue 10 - p 471-476

・術中の頸椎回転は、頸部動脈のねじれによって、感受性の高い個人で脳血流を危険に晒す可能性がある。本研究の目的は、5 種類の頸椎位が中大脳動脈の脳血流に及ぼす影響を調査することであった。

・定例手術に際して全身麻酔予定の男性 56人と女性 24人の患者を対象とした、大学病院での前向きの観察研究である。除外基準は、頭蓋脊椎病変、脳血管疾患であった。右側と左側への最大回転位で過伸展した場合としない場合、そして、正中位での過伸展を行った。主要転帰測定項目は、経頭蓋ドップラー超音波検査で測定される、中大脳動脈の平均血流速度の変化であった。

・年齢は、正中位での左側中大脳動脈の平均血流速度に有意な影響を有していた(P=0.047)。40 歳未満と 59 歳超の患者群間では、左中大脳動脈の平均血流速度に有意差があった[61.2 (16.6)ml/分 vs 47.7 (16.2)ml/分;P=0.015]。左右両側の中大脳動脈で、頭位は平均血流速度に及ぼす有意な影響を認めた(左側 P=0.039、右側 P=0.025)。20人の患者では、平均血流速度の前値から 20% 以上の減少があった。

・頚部の回転や過伸展は、中大脳動脈の血流に有意な変化をきたす結果となった。

[!]:頚椎の回転や過伸展を行う場合、気管チューブのカフ圧の変化やチューブの閉塞には気を付けていたが、脳血流に及ぼす影響も考慮しないといけないのか。言われてみれば、なるほどだ。しかし、日常的な麻酔の臨床で、 経頭蓋ドップラーまではなかなか実施できないだろうが、頚動脈狭窄のある患者で頭位を変化させなくてはいけない状況では、実施するべきなんだろう。

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