股関節形成術で脊椎麻酔を受ける患者の脳脊髄液 Mg 濃度の変化:硫酸 Mg 注入は影響するか?

Changes in cerebrospinal fluid magnesium levels in patients undergoing spinal anaesthesia for hip arthroplasty: does intravenous infusion of magnesium sulphate make any difference? A prospective, randomized, controlled study
Br. J. Anaesth. (2012) 109 (2): 208-215. doi: 10.1093/bja/aes146 First published online: June 1, 2012

マグネシウム42.png・ほとんどの研究者は、脊椎麻酔や全身麻酔中に硫酸マグネシウム(MgSO4)の注入を受けた患者群で、術後疼痛や麻酔薬必要量が減少したのは、中枢性 Nメチル-d-アスパラギン酸(NMDA)受容体のマグネシウム(Mg)活性によるものであるとしてきた。本研究では、脊椎麻酔後に脳脊髄液(CSF)中の Mg 濃度がどれくらい変化し、末梢性に投与した MgSO4 が中枢の Mg 濃度に影響するかどうか調査した。

・持続脊椎麻酔下に股関節形成術を受ける患者 45 人は、0.9% 生理食塩水 100 ml に MgSO4 50mg/kg、引き続き 15 mg/kg/h で 6 時間か、等量(平均(SD) 64(10))の生理食塩水を静脈内投与されるよう無作為に割り付けられた。CSF と血清の総・イオン価 Mg 濃度を脊椎麻酔の前後 6 時点で評価した。副次転帰変数は、血清と CSF の電解質と蛋白質であった。

・35 人の患者が、研究を完了した。脊椎麻酔は、CSF の総・イオン化 Mg 濃度をおよそ 10% 減少させることが分かった。血清 Mg 濃度を前値の 80% 以上に増加させると、CSF Mg 濃度を変化させなかった。

・股関節形成術を受ける患者で、その機序は不明であるが、脊髄麻酔は予想外に CSF の総・イオン化 Mg 濃度を減少させた。本研究で末梢性に MgSO4 注入に使用した用量は、脊椎麻酔を受ける神経学的に健康な患者では、中枢の Mg 濃度に影響しなかった。もしも CSF Mg 濃度が、脳 の Mg 生物学的利用能の信頼できるマーカーであるなら、脊椎麻酔中に末梢性に投与した MgSO4 は中枢の NMDA 受容体活性に影響はなさそうである。しそうにない。

[!]:マグネシウム投与の鎮痛補助効果は、NMDA 受容体を介したものとは考えにくいのではないか、という論旨か。

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