麻酔変数計算機 ~麻酔薬投与量を最適化するために~

 日々の麻酔診療で、導入に使用する薬物の初期投与量や維持投与量は、他の麻酔科医はいったいどうやって導き出しているのであろうか。筋弛緩モニターや BIS をモニターしながら細かく患者さんごとに微調整しているのだとすれば、それが最善の策であろう。

 しかし、麻酔導入時に必要な薬物量などは、非常に短時間のことであり、モニターの結果から投与薬物量を決めていては麻酔導入にかなりの時間を要してしまうであろう。「ではとうやっているか?」と問われると、「とりあえず体重で計算して、患者さんの年齢とか体格で匙加減している。」というのが大方の返事ではないだろうか。

 では、「年齢についてはどういう補正をしているんですか?」とか、「体格についてはどういう補正をしているんですか?」と問われると、明確な答えは返ってこない。

 「体重で決めている。」、それはあまりに大雑把すぎるでしょう? 同じく 80 kg の体重でも、身長が 150 cm しかなくて BMI>35 の場合と、身長が 175 cm の場合では、後者の方が麻酔薬の必要量は多くなるでしょう? また、明らかに鎮痛剤や鎮静剤は年齢依存性があるし、揮発性麻酔薬だって、年齢によって MAC が異なるのは周知のことでしょう?

 ということで、こういった日常臨床で参考になるパラメータを計算できる「麻酔変数計算機」を、例によって、日本語プログラミング言語「プロデル」を使用して作成した。
画像


 「身長」、「体重」、「年齢」を入力すれば、推奨麻酔導入剤必要量と維持量、そして気管チューブサイズと、挿入長、CVC挿入長を計算して表示するプログラムだ。

 なお、このプログラムで薬物量を算出するアルゴリズムは、今後もいろいろな研究データを取り入れて改変していくつもりである(Version 0.1 なので)。とりあえず、現時点での私の個人的な理論と特定の論文の結果に基づく計算である。その点については、ブログで今後公表していくつもりだ。

プログラムのダウンロード

 ZIPファイルを解凍して EXE ファイルを取り出し、適当な場所に保存してください。
インストールの必要はありません。不要になればフォルダごと削除するのみ。
Windows XP,Vista,7 でのみ動作確認してます。

<使用法>
1.計算機を起動する。
2.パラメータを入力する。
3.[計算]ボタンをクリックする。

当サイト配布のプログラムでセキュリティ警告が出る場合の対処

<追記> 2013/01/21

 エスラックスの維持投与量は、主麻酔がセボフルランによる吸入麻酔の場合と、括弧内がプロポフォールによる静脈麻酔時の投与速度を示している。

2013/01/22

 「セボフルラン維持」は、十分量のフェンタニルやレミフェンタニルの投与、あるいは硬膜外麻酔によって鎮痛がしっかり行われている場合の、セボフルラン維持濃度という意味である。

<関連記事>

1.麻酔変数計算機の裏側 その1:年齢補正をどうするか?

2.麻酔変数計算機の裏側 その2:体格補正をどうするか?

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