麻酔科カンファレンスに役立っている「DisplayPainter」の紹介

 当麻酔科では、術前診察を行う医師と、実際に麻酔を担当する医師が必ずしも同じではない。また術後診察についてもそうである。これは少ないスタッフ数でやりくりしている市中病院の麻酔科では往々にしてあることではないかと思う。

 本当は、術前診察を行い、実際の麻酔を実施し、さらに術後診察を同一の麻酔科医が担当するのが理想的ではあろう。しかし、その場合には、それはそれでデメリットも存在する。他の医師が介入する余地がないからである。

 その是非についてはともかく、現実として、当院では、当日の「術前診察医、兼術後診察医」を決めて、日常的な麻酔診療を行っている。そこで、必要となるのが、術前診察医から麻酔担当医への「申し送り」である。

 当院の麻酔科の朝のカンファレンスでは、当日の麻酔科依頼のあったすべての手術症例で、術前診察医が、実際の当日の麻酔担医に、麻酔法や術前診察上で問題視した点などの情報伝達を行っている。

 これを行うために、プロジェクタで当日の手術予定表を表示させて、スタッフ皆で予定表を見ながら、麻酔の割り当てに無理はないか、どの症例とどの症例が並列せざるを得ないかなど確認しながら、申し送りを行っている。

 そこで、役に立っているのが、「DisplayPainter」 というフリーソフトである。

 このソフトは、そもそもは画面に落書きのできるソフトなのだが、このソフトを使用して、申し送りが終了した症例ごとに、ラインマーカーで画面上の患者名をなぞっていって、申し送りが終了したことが分かるようにしている。

 麻酔科依頼のあった症例のすべての申し送りが終了した時点で、術前カンファレンスが終了する。この後、前日の手術予定表を表示させて、トラブルのあった症例や予定した麻酔法を変更した場合などの情報共有を行なって前日の術後カンファレンスとしている。

< DisplayPainter をどう使うか>

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 起動するとこのような操作パネルが表示される。色とペン先の太さを選択して、あとは画面をマウスでなぞるだけである。シンプルな機能なので、ちょっと触っていればすぐに理解できるであろう。

● 前提条件

1.プロジェクタの接続された PC がカンファレンス・ルーム(麻酔科控室とか・・・)にあること。

2.この PC に当日の手術予定表が表示できること。

● 実際の使用法

1.DisplayPainter をプロジェクタの接続された PC にインストールしておく。

2.スタートアップに登録して、タスクトレイに常駐するようにしておく。PC を再起動すれば、常に「DisplayPainter」が使用スタンバイとなる。

3.当院の場合は、手術予定表の PDF ファイルがどの電子カルテ端末からも参照できるようになっているので、当日の手術予定表をリーダー(Adobe Reader)で画面に表示させて、さらに[表示]-[フルスクリーンモード](Ctrl+L) で、全画面表示にしておく。

※ PDF 形式でなく、エクセルファイルでもよいし、院内電子カルテが有している手術予定表示機能でも構わない。

4.[PrintScreen]キーを押して、タスクトレイに常駐している「DisplayPainter」を起動して落書きモードにする。

5.症例の申し送りが開始となる毎に、患者名をマーカーでなぞっていく。
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 ちなみに、[PrintScreen]キーを押して「DisplayPainter」が起動された時点で、画面上に表示されていた画面情報が別の仮想画面に転送されて表示されている状態になるので、そこにマーカーで書き加えているだけで、元のファイルには何の痕跡も残ることはない。

6.[ESC]キーを押せば、「DisplayPainter」起動前の状態に復帰する。

 ワードやパワーポイントの編集画面では、簡単に蛍光マーカーのような表示が可能なのだが、いざ、プレビュー画面や、PDF ファイルを全画面表示した状態で、同様のことが行えるソフトとなると、意外と見つからなかった。何日もいろいろなソフトを試してみて、やっとたどり着いたのがこのソフトでした。

 このソフトの優れている点は、画面に表示させるアプリケーションは何でも良い点である。パワーポイント画面であれ、ワードのプレビュー画面であれ、画面表示そのままを仮想画面に転送して、色付けや書き込み、アンダーラインを引いたりできるので、PC 上にいろいろなものを表示しながら、アクセントをつけることが可能で、なおかつ、元の情報には一切変更が加わらない。

 小粒だが、汎用性の高い、たいへん便利なプログラムだと感じている。もう使用し出して 5 年くらいになるだろうか。このソフトがなければ、プロジェクタで手術予定表を表示しながらの朝のカンファレンスは実現しなかったかもしれない。

 最後に、フリーソフト「DisplayPainter」作者の「MALU」さん、いつもお世話になっています。日常の朝の麻酔科カンファレンスに大変重宝して利用させていただいています。ありがとうございます。

「DisplayPainter」のベクターからのダウンロード

「MALU」さんのホームページ

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