最近よくやる 『レペタン・アルチバ麻酔』

 アルチバは強力なオピオイドで切れもいいから、とっても使いやすい。麻酔維持はいたって簡単だ。通常の手術なら体重÷10(ml/h)程度の速度で持続投与しておけば十分だ。

 しかし、切った途端、急速に効果部位濃度が低下していくために、急激に手術部位の痛みが出現してくる。したがって、覚醒時に痛がらせないように別の鎮痛を行っておくことが重要だ。

 おそらく、多くの麻酔科医は、アルチバを切らなくてはならない頃(つまり、手術が終了する頃)を見計らって、フェンタニルを少しずつ追加して、覚醒時にフェンタニルの鎮痛レベル 1μg/ml 程度が達成できるように心がけているだろう。

 しかし、これがなかなか難しくはないだろうか? フェンタニルの追加タイミング遅れて、覚まそうと思った時には、まだフェンタニルの効果部位濃度が結構高くて、なかなか呼吸がでてこなかったり、逆に、思ったより手術が長引いて、覚醒直後は「痛くない。」と言っていたかと思うと、帰室タイミングでは、フェンタニルの効果部位濃度が下がってしまって痛みを訴え出してしまったり・・・と。

 また、別の麻酔科医は、術中にフェンタニルを 30~60 分毎とかに間欠的に追加投与しておき、短時間作用性のフェンタニルを中時間作用性にして術後鎮痛を図っているようだ。しかし、これも面倒くさいといえば面倒くさい。

 そこで、最近よくやるのは、1時間30~3時間程度の手術の場合、手術開始直前の抗生剤投与のタイミングで術後鎮痛に有効な量のレペタン(通常の成人では 0.2mg、高齢者では 0.1~0.15mg)を抗生剤の生食に混じて執刀前に投与してしまうのである。

 手術が少々早めに終わろうが、長引こうが、フェンタニルの追加投与はしない。いつ、アルチバを切ってしまっても、レペタンが効いているから覚醒時に痛がることはない。しかも、術後鎮痛もけっこう長時間効いているので、手術侵襲がそれほど大きくなければ、術後鎮痛用にシリンジや PCA ポンプをつなぐ必要もない。

 この方法には、多くの麻酔科医は異論を唱えるのではないだろうか? 「レペタンとアルチバの併用なんてするべきではない!」と。そのような方には以下の記事を参照していただきたい。そして、勇気をもってブプレノルフィンとレミフェンタニルの併用をやってみてもらいたい。

フェンタニルとブプレノルフィンの併用は有用である

 高用量レミフェンタニルの持続投与については、オピオイド誘発性痛覚過敏という問題もある。ブプレノルフィンを併用することで、レミフェンタニルの維持量も低く抑えることができるので、好都合ではないだろうか。

 今回の記事の副題は差し詰め「レミフェンタニルとブプレノルフィンの併用は有用である!」だ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック