Q:麻酔導入に必要なプロポフォール用量とフェンタニルの関係は?

A:プロポフォールを単剤で使用する場合と、フェンタニルを併用する場合とでは、その必要量がずいぶんと異なる。併用するフェンタニルの用量が多くなればなるほど、プロポフォールの必要量は少なくなる。

この相補的な相互作用は、20 年以上前の Anesthesiology の論文に報告されている。また、同様の関係は、フェンタニルとセボフルランやイソフルラン、フェンタニル以外のオピオイドとプロポフォールやセボフルランなどの鎮静剤の濃度についても認めれらている。
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The Interaction of Fentanyl on the Cp50 of Propofol for Loss of Consciousness and Skin Incision
Anesthesiology: October 1994 - Volume 81 - Issue 4 - ppg 795

Reduction by Fentanyl of the Cp50 Values of Propofol and Hemodynamic Responses to Various Noxious Stimuli
Anesthesiology: August 1997 - Volume 87 - Issue 2 - p 213?227

プロポフォール投与時に最高効果部位濃度に達するのは、1.6 分後とされている。これに対して、フェンタニルの単回投与時の効果部位濃度の推移は、以下の図のごとくであり、最高となるのは投与して約 3~4 後である。

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T.D. Egan: Clinical pharmacology of remifentanil
a brief review. J Anesht 12 : 195-204, 1998

前述の論文によれば、フェンタニルを 1ng/ml 併用した場合には、気管挿管に必要なプロポフォール投与量は、31~34% 減量できるとしている。

一方、フェンタニルを 1μg/kg 投与すると、その効果部位濃度は、ほぼ 1ng/ml となるので、同様にプロポフォール投与量は、31~34% 減量できることになる。プロポフォール単独での標準導入量を 2mg/kg とするならば、フェンタニルを併用した場合には、1.4mg/kg ということになる。

投与する手順としては、まず、フェンタニルを 1μg/kg 投与し、90 秒後に、プロポフォールを 1.4mg/kg 投与すれば、その 90 秒後には、フェンタニルの効果部位濃度は 1ng/ml となり、ちょうどプロポフォールも最高効果部位濃度に達するので、このタイミングで気管挿管やラリンジアルの挿入を行えばよいことになる。

さらに、このプロポフォール投与量に年齢補正係数を掛けれてやれば、必要十分な投与量になる。

また、ラリンジアル挿入を予定していて、自発呼吸を早期に出現させたい場合は、高齢者のフェンタニル投与量についても年齢補正係数による匙加減をすることが望ましい。

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