気腹と腹腔鏡下手術時の輸液反応性の動的変数

Dynamic variables of fluid responsiveness during pneumoperitoneum and laparoscopic surgery.
Acta Anaesthesiol Scand. 2012 Jul;56(6):777-86. doi: 10.1111/j.1399-6576.2011.02641.x. Epub 2012 Jan 31.

・腹腔鏡手術中の輸液反応性を予測する動的変数についてのデータはほとんど存在しない。本研究の目的は、4 種類の動的変数;脈圧の呼吸変動(ΔPP)、Vigileo/FloTrac による 1 回拍出量変動(SVV(Vigileo))、脈波変動指標(PVI)、パルスオキシメトリー容積脈波波形の呼吸性変動(ΔPOP)、に及ぼす腹腔鏡検査の影響と、それらの腹腔鏡手術中の輸液負荷に対する関係を調査することだった。

・ΔPP、SVV(Vigileo)、PVI、ΔPOP を 20 人の成人で、気腹前と気腹中(10-12 mmHg)に研究した。腹腔鏡手術の進行中に、輸液負荷(250mL の膠質液)後に、動的変数と食道ドップラーの 1回拍出量(SV(OD))の変化との関係を評価した。

・気腹は、以下のように動的変数を変化させた{平均[95%信頼区間(CI)]}:ΔPP 0.5(-1.3、2.3)%、P=0.53; SVV(Vigileo) 0.6(-1.3、2.5)%、P=0.52; PVI 2.9(0.4、5.3)%、P=0.025。ΔPOP については、中央値の差(95%CI)は、2.5(-0.15、6.7)%、P=0.058 であった。腹腔鏡手術中、ROC 曲線下面積(95% 信頼区間)は、ΔPP 0.53(0.31-0.75)、SVV(Vigileo) 0.74(0.51-0.90)、PVI 0.61(0.38-0.81)、ΔPOP 0.63(0.40-0.82)であった。動的変数の変化と SV(OD)変化との相関係数(P 値)は、ΔPP で r=-0.65、P=0.009、SVV(Vigileo)で r=-0.73、P=0.002、PVI で r=-0.22、P=0.44、ΔPOP で r=-0.32、P=0.24 であった。

・ΔPP と SVV(Vigileo)は、気腹が確立されても変化しなかったのに対して、PVI は上昇し、ΔPOP は増加する傾向にあった。全 4 種の動的変数は、腹腔鏡手術進行中の輸液反応性の予測は比較的不良であった。ΔPP と SVV(Vigileo)は、腹腔鏡手術進行中の輸液負荷により誘発された 1 回拍出量変化を追跡したのに対して、ΔPOP と PVI は追跡できなかった。

[!]:ΔPP と SVV(Vigileo)は動脈ラインを介した指標であり、ΔPOP と PVI は非侵襲的な指標である点が、結果に影響したのかな。

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