高リスクの腹部手術を受ける患者での周術期目標指向治療と術後転帰: 歴史的前向き有効性比較研究

Perioperative goal directed therapy and postoperative outcomes in patients undergoing high-risk abdominal surgery: a historical-prospective, comparative effectiveness study.
Crit Care. 2015 Jun 19;19(1):261. [Epub ahead of print]

・周術期目標指向療法(PGDT)は高リスク手術患者の術後転帰を改善する可能性があるが、その採用は遅れている。 2012 年に、著者らは、高リスクの腹部手術中の PGDT の実施に焦点を当てた成績向上(PI)プロジェクトを開始した。本研究の目的は、この介入の有効性を評価することであった。

・これは歴史的な前向きの質向上の研究である。この取り組みの目的は、カリフォルニア大学アーバイン校の麻酔と手術科で、ハイリスクの腹部手術時に、輸液管理と血行動態最適化を実施する方法を標準化することであった。輸液管理に際しては、プロトコールは標準化したベースラインの晶質液 3mg/kg/h 投与と、PGDT に基づくボーラス追加投与から成った。介入の影響は、在院期間(LOS)と術後合併症(NSQIP データベース)について評価した。

・介入開始の前後 1 年間で、128 人と 202 人の患者が含まれた。症例中に投与された輸液の平均容量は、導入前の期間で 9.9[7.1-13.0]mL/kg/時間、導入後の期間で 6.6[4.7-9.5]mL/kg/h であった(P<0.01)。LOS は 10 日[6-16]日から 7[5-11]日に減少した(P=0.0001)。

重回帰分析に基づき、介入の推定係数は、0.203(SE=0.054、P=0.0002)で、他の条件が同じく保持されているならば、導入中の介入は、LOS を 18%(95%CI :9% - 27%)だけ減少させることが示された。NSQIP 合併症の頻度は 39% から 25% に減少した(P=0.04)。

・これらの結果は、PGDT 実施に焦点を当てた PI プログラムの実施は、高リスクの腹部手術を受ける患者の輸液投与パターンを変えて、術後転帰を改善する可能性があることを示唆している。

[!]:麻酔担当医の裁量に任せた輸液管理と循環管理よりも、一定のプロトコールに従った管理の方が予後は良くなるだろうな。

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