重症疾患での血中アルコール濃度と死亡率との関連性

Association between Blood Alcohol Concentration and Mortality in Critical Illness
Journal of Critical Care Published Online: September 02, 2015

・腎臓、腸、肝臓、心臓、脳虚血の動物モデルでは、アルコール暴露は虚血再灌流傷害を減少させることが示されている。外傷患者の院内死亡率は、入院時血中アルコール濃度に用量依存性に相対的に減少することが示されている。本研究では、重症患者の入院時血中アルコール濃度(BAC)と 30 日死亡リスクがとの関連性を検討した。

・著者らは、ボストン、マサチューセッツ州の 2 つの境域施設の内 209 床の内科・外科集中治療室で治療を受けた患者について観察研究を行った。著者らは、1997 年から 2007 年に集中治療を受けた年齢 18 歳以上の 11850 人の患者を調査した。評価対象は、入院 24 時間以内に測定された BAC で、BAC<10mg/dL(検出レベル未満)、10~80mg/dL、80~160mg/dL、>160mg/dL と分類された。主要評価項目は、集中治療開始後 30 日以内の全死因死亡率であった。副次評価項目は、集中治療開始後 90 日と 365 日死亡率が含まれた。死亡率は、米国社会保障庁死亡マスターファイルを使用して決定され、365 日間の経過追跡が全コホート患者に存在した。調整後オッズ比は、BAC と死亡率の両方と相互作用すると推定される共変量を含めて多変量ロジスティック回帰モデルにより推定した。調整には、年齢、性別、人種(白色、非白色)、種別(内科 vs 外科)、Deyo-Charlson インデックス、敗血症、急性臓器不全、外傷慢性肝疾患が含まれた。

・コホートの 30 日死亡率は 13.7% であった。BAC <10mg/dL 未満の患者群と比較して、≧10mg/dL の患者群では、30 日死亡率のオッズは低かった。BAC 10~79.9mg/dL の OR は 0.53(95%CI、0.40-0.70)で、BAC 80~159.9mg/dL では 0.36(95%CI、0.26-0.49)、BAC≧160mg/dL では 0.35(95%CI、0.27-0.44)であった。多変量調整後、30 日死亡率の OR はそれぞれ 0.97(0.72-1.31)、0.79(0.57-1.10)、0.69(0.54-0.90)であった。敗血症を評価対象としてコホートを分析したところ、BAC<10mg/dL 未満の患者に比べて、BAC 80~160 mg/dL、>160mg/dL の患者の敗血症についての多変量調整後オッズは、それぞれ 0.72(0.50-1.04)、0.68(0.51-ら0.90)であった。血液培養を採取した患者のサブセット(N=4065)では、BAC<10mg/dL 未満の患者に比べて、BAC 80~160 mg/dL、>160mg/dL の患者の血流感染についての多変量調整後オッズは、それぞれ 0.53(0.27-1.01)、0.49(0.29-0.83)であった。

・11850 人の成人患者の分析では、入院時に検出可能な血中アルコール濃度を示した方が、集中治療後 30 日死亡率が有意に低いオッズと関連していることを示した。さらに、血中アルコール濃度>160mg/ dL は、敗血症と血流感染症を発症する有意に低いオッズと関連している。

[!]:集中治療を要するような重症疾患や外傷が発生した時に、ひどく酔っ払っていた方が予後が良いということだ。さあ、今日も飲まなくちゃ!

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