下肢と股関節手術における高比重クモ膜下ロピバカイン:高比重ブピバカインとの比較

Hyperbaric spinal ropivacaine in lower limb and hip surgery: A comparison with hyperbaric bupivacaine
J Anaesthesiol Clin Pharmacol 2015;31:466-70

・ブピバカインはロピバカインよりも心毒性が強い。ロピバカインは下肢や臀部手術に際して効果的な脊椎麻酔を提供する。本前向き研究は、下肢や腰部手術を受ける患者に対してクモ膜下高比重ロピバカインの有効性と安全性を高比重ブピバカインと比較するために計画された。

・年齢 40?75 歳で、両性の ASA-PS I/II の 200 人の患者は、0.5% 高比重ロピバカイン 3mL か、0.5% 高比重ブピバカインの 3 ml のいずれかをクモ膜下に投与されるよう無作為に、それぞれ R 群(ロピバカイン)か B 群(ブピバカイン)に分けられた。知覚遮断の発現と持続時間をは、T-10 皮膚分節 3 点スケールによってピンプリック法を用いて決定した。運動遮断の発現と持続時間は、変法 Bromage 尺度によって評価した。術後鎮痛の持続時間、血行動態変化、中枢神経系と心血管系への毒性や有害作用を観察した。

・知覚遮断(6±1.3 分 vs 3±1.1分、P<0.001)と運動遮断(13±1.6分 vs 9±1.3分、P<0.05)の平均発現時間は、ブピバカイン群に比較してロピバカイン群の方が有意に遅かった。知覚遮断の合計時間は、ブピバカイン群(260±16.1分)よりもロピバカイン群(160±12.9分)の方が有意に短かった(P<0.05)。運動遮断の平均時間もまた、ブピバカイン群と比較してロピバカイン群の方が短かった(126±9.2分 vs 174±12.6分、P<0.05)。麻酔の質は両群で同等であった(P=0.04)。

・著者らは、クモ膜下に使用した高比重ブピバカインの方が、高比重ロピバカインに比べて、知覚遮断が速く、鎮痛時間が長いと結論付けている。

[!]:クモ膜下に使用する場合には少量しか使用しないので、中枢神経毒性や心毒性は相対的に問題にならない。作用発現の早さと持続時間の長さを考えると、通常はブピバカインを使用したほうが利点が多そうだ。外来麻酔で早期退院を促すのならロピバカインの方が良いということか。

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