高齢者の残存筋弛緩:発生率と臨床的意義

Residual Neuromuscular Block in the Elderly: Incidence and Clinical Implications.
Anesthesiology. 2015 Oct 8. [Epub ahead of print]

・高齢患者は麻酔関連合併症のリスクが高い。高齢者の術後の残存筋弛緩(PRNB)は、四連反応比 0.9 未満と定義され、既存の筋力低下や呼吸機能障害を悪化させる可能性がある。この調査では、高齢者(年齢 70~90 歳)と若い患者集団(年齢 18~50 歳)で、PRNB と関連する有害事象の発生率を評価した。

・150 人の若い患者と 150 人の高齢患者でデータを前向きに,収集した。四連反応比は麻酔回復室(PACU)到着時に測定した。抜管後に、患者は PACU 移送中、PACU 入室後 30 分間、在院中に有害呼吸事象がないか調べられた。術後筋力低下は、標準化された検査を用いて定量化し、PACU 在室期間、在院期間を調査した。

・PRNB の発生率は、高齢者の 57.7%、若い患者で 30.0%(差 -27.7%、 99%CI:-41.2~ -13.1%、P<0.001)であった。高齢者の方が、気道閉塞、低酸素症状、筋力低下の徴候や症状、術後肺合併症、PACU 在室期間と在院期間の増加がより頻繁に認められた(全て P<0.01)。各コホート内で、ほとんどの有害事象は PRNB のある患者で観察された。PRNB のある若い患者の方が、ない患者に比べてロクロニウムの総投与量が多かった(60 vs 50 mg、P<0.01)が、PRNB のある高齢患者と、ない高齢患者との間には、ロクロニウム投与量に差がなかった(両者ともに 50 mg)。

・高齢者は、残存筋弛緩のリスクが増加しており、有害転帰と関係している。

[!]:高齢者では、若年者に比べて、肝臓や腎臓といった代謝臓器の予備力が低下している上に、個体差も大きい。同じ用量を投与しても残存筋弛緩の発生率が高くなる。筋弛緩薬の投与は必要最小限とするのがよかろう。そのためにも、筋弛緩モニターは積極的に活用するべきだ。

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