麻酔筋弛緩下の成人で、ディスポ咽頭気道流線型ライナー(SLIPA)とディスポ i-gel との比較

Comparison of the Disposable Streamlined Liner of the Pharynx Airway and the Disposable I-gel in Anaesthetized, Paralyzed Adults: A Randomized Prospective Study
Anesthesiology Research and Practice Volume 2015 (2015), Article ID 971059, 8 pages

・本研究では、麻酔筋弛緩下の成人で、非可膨脹性単回使用の声門上気道器具(SAD)である、咽頭気道流線型ライナー(SLIPA)と i-gel の性能を比較した。

・SAD を使用した全身麻酔下に待機的手術を受ける 80 人の成人(ASA-PS I-III)が本前向き無作為化単盲式研究に登録された。被験者は術中の気道確保のために、SLIPA 群か、または I-gel 群に無作為かつ均等に割り当てられた。挿入の容易さ、挿入回数、挿入時間、口腔咽頭シール圧、血行動態反応、酸素飽和度(SpO2)、呼気終末 CO2(EtCO2)、術中・術後の合併症を検討した。

・SLIPA と i-gel 器具は、それぞれ被験者の 100% と 95% で挿入に成功した。i-gel 被験者 2 人(5%)では、2 回の試行後に換気ができなかったが、サイズ 55 SLIPA は両症例で挿入に成功した。最終的に、SLIPA 群と I-gel 群には、それぞれ 42 人と 38人の患者が含まれた。挿入時間は、i-gel 群(15.05±6.37 秒)に比べて SLIPA 群(11.19±3.03 秒、P=0.0013)の方が有意に短かった。口腔咽頭シール圧は、i-gel 群(25.9±3.65 cmH2O)患者よりも SLIPA 群(28.76±3.11 cmH2O)の方が有意に高かった(P=0.001)。血液付着は、i-gel 群(N=5、13.2%)に比べて、SLIPA(N=8、19.0%)の方が頻繁に発生した(P<0.01)。心拍数、平均動脈圧、SpO2値、EtCO2 は群間に有意差はなかった。

・血液付着の発生頻度が高かったものの、SLIPA の挿入の方が i-gel 挿入よりも容易であり迅速であった。SLIPA の方が気道シール圧は優れていた。両器具は同様の人工呼吸と酸素化特性と、同等の血行動態安定性を有していた。両非可膨張性 SAD はともに有用であるが、SLIPA の迅速な挿入と良好な気道シーリング性は、i-gel の有効な代替用具となるる。

[!]:日本人にとってはちょっと「ふざけた」名称の声門上気道器具だが、SLIPA は i-gel を凌ぐ性能を有しているのかも。イギリスの Miller が発明し 2002 年に最初の報告をしている。本当に、いわゆる「スリッパ」に形状が似ていることから命名されたようだ。
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