ラリンジアルマスクで婦人科腹腔鏡検査を受ける患者における胃逆流症:前向き観察研究

Gastric regurgitation in patients undergoing gynecological laparoscopy with a laryngeal mask airway: a prospective observational study
J Clin Anesth. 2017 Feb;36:32-35. doi: 10.1016/j.jclinane.2016.07.038. Epub 2016 Nov 11.

<ハイライト>
・手術を受ける患者で、ラリンジアルマスクの使用は、気管チューブと比較して、良好な回復をもたらす。
・ラリンジアルマスクは、胃逆流のリスクが高いと考えられるため、腹腔鏡手術では十分に活用されていない。
・本研究は、腹腔鏡手術を受ける患者にラリンジアルマスクを使用することの安全性に関するさらなるエビデンスを提供する。

<要旨>
・気腹の使用と患者をトレンデレンブルグ位にすることが、胃内容物の術中逆流の潜在的発生と腹腔鏡手術での気管チューブの必要性のための理由としてよく挙げられている。今回の調査の主な目的は、ラリンジアルマスク(LMA)を用いた腹腔鏡下婦人科手術を受けた患者の口腔咽頭の胃内容物逆流の存在を評価することであった。

・前向きの臨床観察調査
ProSeal LMA を用いた全身麻酔下に腹腔鏡下婦人科手術を受けた健康被験者を研究に含めた。気腹のための最大腹腔内圧として 15mmHg の吹送圧が確立され、患者は 15°の角度でトレンデレンブルグ位に置かれた。被験者の下咽頭から採取した分泌物の pH を、術中の複数時点で測定した。口腔咽頭分泌物 pH≦4.1 は、胃内容物の逆流を示すものとした。

・80 人の被験者を募集し、研究を完了した。いずれの時点(T3?T9)における pH 測定の中央値(範囲)は 6.5(5.5~7.0)であった。各被験者の最低 pH の中央値(範囲)は 6.0(5.5-7.0)であった。下咽頭で検出された最低 pH は、総手術時間(P=0.9)、総気腹時間(P=0.17)、総トレンデレンブルグ位時間(P=0.47)と相関しなかった。

・著者らの今回の結果は、腹腔鏡下婦人科手術を受ける健常患者における LMA の使用は安全であることを示唆している。著者らの調査結果を確認、または反論するための今後の研究が行われてしかるべきである。

[!]:気腹手術をラリマでやっても良さそうだ。ただ、やるなら、クラシカルなラリマよりも、胃内容吸引が可能で、シーリング圧がより高いプロシールの方が安心だな。

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