外傷患者における初期乳酸値と塩基欠乏の予後的意義の比較

・初期血液乳酸および塩基欠乏は、外傷における予後バイオマーカーであることが示されているが、それらのそれぞれの性能は比較されていない。

・レベル 1 外傷センター 3 施設で外傷患者の入院時に、血液乳酸濃度と塩基欠乏を測定した。これは、前向きに収集されたデータの後ろ向き分析であった。ROC 曲線、トリアージスコア(修正外傷スコアとメカニズムグラスゴースケール、および動脈圧スコア)を用いたロジスティック回帰、参照基準として外傷関連傷害重症度スコアを用いて、初期血液乳酸および塩基欠乏と死亡率との関連性を検証した。著者らはまた、再分類法を使用した。

・外傷患者 1,075 人を対象とした(平均年齢 39±18 歳、90% が鈍的、10% が穿通性外傷で、死亡率は 13% )。入院時に血液乳酸は 425 人(39%)の患者で上昇し、725 人(67%)の患者では塩基欠乏が上昇してした。血液乳酸は塩基欠乏と相関していた(R=0.54、P<0.001)。ロジスティック回帰を用いて、血液乳酸は、トリアージスコアと外傷関連傷害重症度スコアに対するその追加的予測値を考慮すると、塩基欠乏よりも良好な死亡予測因子であった。この結果は再分類法を用いて確認されたが、正常血圧患者のサブ群(n=745)でのみ確認された。

・初期血液乳酸は、外傷患者の初期重症度を評価するために構築された採点システムにおいて、生物学的変数として塩基欠乏よりも好ましい。

[!]:塩基欠乏って、特にショックの場合は、循環不全→酸素不足→嫌気的解糖増加の結果産生された乳酸値の増加の裏返しだと思っているんだけど。持って回った言い方をしなくても乳酸が測定できるんなら乳酸を参照した方が直接的でいいんじゃないの。乳酸値が参照できない時に塩基欠乏を参照して乳酸値の増加を推定する。

【出典】
Comparison of the prognostic significance of initial blood lactate and base deficit in trauma patients
Anesthesiology. 2017 Mar;126(3):522-533. doi: 10.1097/ALN.0000000000001490.

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