心肺バイパス中のセボフルランによる麻酔維持の可能性:予備薬物動態研究

・セボフルランだけを用いた手術麻酔中の催眠の適切な維持を調査した。さらに、人工心肺中のセボフルランの薬物動態を分析した。

・これは、三次医療大学病院での予備薬物動態研究であった。本試験は、待機的僧帽弁手術を受ける年齢 18 歳から 75 歳の 10 人の患者から成った。人工心肺を含む心臓手術中を通じて、セボフルランの呼気終末および血漿濃度を測定した。ガスクロマトグラフィーを用いてセボフルラン血漿濃度を測定した。さらに、セボフルラン肺胞濃度と経時的吸入濃度(FA/FI)との比を分析して、ウォッシュインとウォッシュアウト曲線を描画した。

・催眠は、セボフルランのみを使用して術中適切に維持された。バイスペクトル指数は、人工心肺中に 40~60 に維持された。呼気終末セボフルランは、人工心肺前後で有意に異なっていた(それぞれ 1.86%±0.54% vs 1.30%±0.58%; p<0.001)。しかし、セボフルラン血漿中濃度は、人工心肺開始前後で有意差はなかった(人工心肺前の 40.55μg/mL[76.62-125.33]と人工心肺中の 36.24μg/mL[56.49-81-42])。このミスマッチは、体温の低下(それぞれ、36.33℃±0.46℃ vs 32.98℃±2.38℃; p<0.001)、ヘマトクリットの低下(それぞれ、35.62%±3.98% vs 25.5%±3.08%; p<0.001)といった人工心肺開始後に起こった変化によって説明されるおそらく説明できる。セボフルラン肺胞濃度は、セボフルラン血漿濃度およびバイスペクトル指数値に従って変化した。人工心肺中のセボフルラン投与に関する有害事象は観察されなかった。

・セボフルラン呼気終末値は、人工心肺を含む全心臓手術中の適切な麻酔の信頼できる指標であった。

[!]:人工心肺中には肺血流がかなり減少してしまうので、セボフルラン呼気終末濃度が全身的な血漿濃度を反映しているのかどうかはちょっと疑問だな。人工肺から取り出したガスでは呼気終末なんて存在しないし・・・。

【出典】
Feasibility of Anesthesia Maintenance With Sevoflurane During Cardiopulmonary Bypass: A Pilot Pharmacokinetics Study
Journal of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia, Published online: March 7, 2017

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