麻酔科を選んだ理由 その2

3.救急医療に興味があった

麻酔科に入ろうと考えた当時思っていたのは、現代的な広い意味での救急医療と言うよりは、もっと狭い意味での救急医療だ。救命処置と言った方が適切だろう。

もしも、目前に生命の危機に瀕した患者がいたとしたら、とりあえずの救命処置ができる医者になりたいと思った。

一人の医師を養成するのには多大な費用がかかるが、当時はかなりの費用が国から助成されていただろう。

そういった意味で、社会的な恩恵も受けながら、せっかく医学生として 6 年も大学に行かせてもらったのだから、せめて「救命処置」くらいはできなくてはならない。

もしも、千歳一隅、そういった状況に出くわして、救命することができたら、それだけでも自分は医者になった甲斐があるんじゃないかなと、そう思った。

当時は、現在のようにどこの大学にも「救急救命科」や「救急医学教室」があるというようなことはなく、私が卒業した大学では、麻酔科出身の医師が救急部助教授を兼任して麻酔学の一環として救急の講義も行っていた。また、当時の三次救急は麻酔科が担っていた。

ということで、取りあえず生命維持をするための、気道確保やライン確保などといった基本的な医療技術を短期間で身に付けられるのは麻酔科だった。

研修医の頃、自分1人で全身麻酔の導入をやるのは、非常に恐ろしく、不安だらけで、無事麻酔導入が済んだ頃には、いつも冷や汗でびっしょりになっていた。

麻酔診療は、日常的に患者を意図的に「半殺し」にしつつ、生かさず殺さず生命維持を図ることだ。生命維持の基本的な方法を学べるのが麻酔科だった。そして、それは今も変わることはないと思っている。

新しい臨床研修制度が始まったばかりの頃は、麻酔科は臨床研修の必須診療科に指定されていたが、悲しいかな! 現在は臨床研修の必須科目ではなくなってしまっている。

研修医諸君、一生「医者」をやって行くつもりなら麻酔科研修は必須だと思うよ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 麻酔科を選んだ理由 その3

    Excerpt: 4.「機械が好き!?」 医学部に入る前の予備校生時代に嵌ったのは「インベーダー・ゲーム」だった。同じ下宿屋に住む予備校生と勉強の合間に喫茶店に行っては、何度も何度も高得点を目指して競い合ったものだ。.. Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2017-03-16 13:01