Q:術前評価の「ULBT」とは?

A:ULBT は、Upper Lip Bite Test の略。
下顎切歯で、上口唇をどれくらい噛むことができるかを見る試験(検査)で、顎関節の前方への可動性を評価することができる。その程度により、クラス Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ に分類し、クラス Ⅲ では挿管困難が予測される。
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挿管困難、喉頭鏡検査困難の特異度と感度がともに高く、ベッドサイドのスクリーニング検査として何か一つだけやるとすれば、開口度と共に、この検査が良いとされている。

よく似た検査として、下顎をどの程度前方に突き出すことができるかを見る「Mandibular Protrusion Test(Lower Jaw Protrusion maneuver:LJP maneuver)」(下顎突出試験)がある。下顎を前出させて、下顎門歯を上顎門歯よりも前出できるものを A 群、上顎門歯と咬合できる場合を B 群、上顎門歯と咬合できるまで前出できない場合を C 群と分類する方法である。
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「Upper Lip Bite Test」と「Mandibular Protrusion Test」の両者を直接比較した研究はないものの、どちらも「顎関節の前方への可動性を評価する」という点では同質のものであり、「Upper Lip Bite Test」の Class Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ は、それぞれ、「Mandibular Protrusion Test」の Class A、B、C に相当すると考えられる。

いずれの検査も、Mallampati 分類よりも、挿管困難診断の感度と精度が高いという結果が報告されている。ただ、両者は共に、あくまで顎関節の前方への可動性のみを評価するものであり、上顎下顎切歯間の(垂直方向の)距離については全く考慮されていないので、Mallampati 分類や、上下切歯間距離などといった、他の開口度を評価できる方法と併用するのが良い。

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