帝王切開を受ける妊婦における脊椎麻酔のリスクに及ぼす肥満指数の影響:後ろ向きコホート研究

・研究の目的は、帝王切開を受けた肥満妊婦では非肥満患者と比較して高位脊椎麻酔のリスクが増加しないという仮説を検討することであった。

・これは、学術センターでの後ろ向き研究である。著者らは、高比重ブピバカイン≧10.5mg による脊髄または脊髄硬膜外麻酔下で帝王切開分娩を受けた女性について、周術期データベースを検索した。肥満指数(BMI)≧30kg/m2を肥満と定義した。著者らは、肥満を、肥満クラス I(BMI=30-34.9kg/m2)、肥満クラス II(BMI=35-39.9kg/m2)、肥満クラス III(BMI=40-49.9kg/m2)、超肥満(BMI≧50kg/m2)と分類した。主要評価項目は、高位ブロックに起因する精神状態の変化、虚脱、呼吸困難や記録されたブロック位≧T1 の結果として、脊椎麻酔実施後 20 分以内に全身麻酔に変更する必要性が生じた場合と定義した高位ブロックであった。

・分析には 5015人の女性が含まれた。高位脊椎麻酔が 29 人の患者で生じた(0.6%)。高脊髄のリスクは、BMI によって有意に異なっていた(p=0.025)。多変量モデルでは、BMI(p=0.008)と帝王切開分娩の優先順位(p=0.009)が高位ブロックと関連していた。BMI≧50kg/m2 は、BMI<30kg/m2 と比べて、高位ブロックの高いオッズと関連していた[オッズ比(95%信頼区間):6.3(2.2、18.5)]。予定された帝王切開分娩もまた、予定外分娩と比較して高位ブロックの高いオッズと関連していた。

・著者らの診療で使用する高比重ブピバカイン(≧10.5mg)の標準脊髄用量で、BMI≧50kg/m2 の妊婦では、高位ブロックのオッズが高かった。

[!]:肥満は脊椎麻酔が高位ブロックとなる要因の一つである。体重が増加するにつれて、硬膜外静脈叢の怒張→クモ膜下腔の相対的狭小化のために、同じ薬液量でも高位まで麻酔が及ぶ。帝王切開時の脊椎麻酔には、身長と体重を考慮してクモ膜下投与量を調整する方法を用いるべきだ。

【出典】
The impact of body mass index on the risk of high spinal block in parturients undergoing cesarean delivery: a retrospective cohort study.
J Anesth. 2017 Apr 18. doi: 10.1007/s00540-017-2352-0. [Epub ahead of print]

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