麻酔下無呼吸成人のマスク換気の効率に及ぼす頭部回転の影響:前向き無作為化クロスオーバー試験

・上部気道閉塞は、全身麻酔導入後によく生じる。これはマスク換気困難の主な原因である。本研究の目的は、頭部回転が麻酔下無呼吸成人のマスク換気の効率を改善するかどうかを調査することであった。

・大学教育病院単施設での前向きのクロスオーバー研究で、対象患者は、待機的手術に際して全身麻酔を必要とする BMI 18.5~35.0 kg/m2 の年齢 18~75 歳の 40 人の患者を募集し、2 群に無作為化した。全身麻酔導入後に無呼吸となるや、マスク換気は、15cmH2O の最大吸気圧で、従圧換気で開始された。各患者は、1 分毎に頭部位置を交互に変えて 3 分間 1分間換気した:A 群では、マスク換気を 1 分間頭部中立位で行い、続いて右に頭位軸を 45°回転させて 1 分間行い、さらに 1 分間中立位に戻した。B 群では、頭位の順位を回転→中立→回転とした。主要評価項目は、呼吸により発生した容積波によって測定された呼気 1 回換気量であった。

・プロトコル違反のため 2 人の患者が除外され、従って、38 人の患者からのデータを分析した。平均呼気 1 回換気量は、中立位よりも回転位の方が有意に高かった(612.6 vs 544.0 ml:差[95%信頼区間]、68.6[46.~?90.4]ml、P<0.0001)。

・麻酔下の無呼吸性成人の 45 °頭部回転は、中立頭位と比較してマスク換気効率を有意に増加させる。気道閉塞に遭遇した場合、頭部回転はマスク換気を改善する有効な代替手段である。

[!]:頭部正中位でマスク換気がうまく行えない場合は、初期研修医のころから、経験的に頭位を右に回転させて、舌根が正中に沈下しないようにやっているけど、こんな地道な研究結果は、今までなかったともいえるかな。
画像

【出典】
The effect of head rotation on efficiency of face mask ventilation in anaesthetised apnoeic adults: A prospective, randomised, crossover study.
Eur J Anaesthesiol. 2016 Dec 22. doi: 10.1097/EJA.0000000000000582. [Epub ahead of print]

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