開腹手術の全身麻酔中の高 vs 低レベル PEEP を伴う換気は、術後肺活量測定には影響しない

・全身麻酔中の侵襲的人工呼吸気は、典型的には無気肺を引き起こし、術後肺機能を損なう。著者らは、高い呼気終末陽圧(PEEP)と肺加圧操作(RM)を用いた術中換気が術後肺活量測定に及ぼす効果を検討した。

・これは、国際的な多施設無作為化比較試験である PROVHILO 治験の、計画された単施設の下位研究であった。2011 年 11 月から 2013 年 1 月まで、大学病院で術後肺合併症(PPC)リスクが高い腹部手術予定の非肥満患者を対象とした。12cmH2O PEEP と RM を伴う(高 PEEP 群)か、2cmH2O PEEP で RM は無し(低 PEEP 群)とする低一回換気量の術中人工呼吸に割り当てられた。主要評価項目は、術後 5日目までの 1 秒量(FEV1)と努力肺活量;(FVC)の時間加重平均(TWA)であった。

・31 人の患者が高 PEEP 群に、32 人が低 PEEP 群に割り当てられた。6 人の患者について、術後肺活量測定の結果は得られなかった。両群で、FEV1 と FVC の TWA は術後 5 日まで術前値より低かった。術後肺活量測定の結果は高 PEEP 群と低 PEEP 群で差はなかった。データは中央値[四分位範囲]、TWA FVC 1.8[1.6~2.4] vs 1.7[1.2?2.4]l(P=NS) と TWA FEV1 1.2[1.1~2.5] vs 1.2[0.9~1.9])であった。PPC を発症した患者は、術後 5 日目に FEV1 と FVC が低かった。 1.1 [0.9~1.6] vs 1.6[1.4~1.9]l(P=0.001) と 1.6[1.2~2.6] vs 2.3[1.7~2.6]l(P=0.036)であった。

・術後肺活量測定は、PPC リスクの高い非肥満患者の開腹手術の術中換気時に PEEP と RM の影響を受けず、むしろ PPC の発症と関連している。

[!]:術中換気は、術後肺機能検査に影響を及ぼさないと。ということは、やはり術前にしっかり危険性を説明しておくしかないな。

【出典】
Ventilation with high versus low peep levels during general anaesthesia for open abdominal surgery does not affect postoperative spirometry: A randomised clinical trial.
Eur J Anaesthesiol. 2017 Aug;34(8):534-543. doi: 10.1097/EJA.0000000000000626.

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