成人の 3 種類の声門上気道器具挿入後の咽頭痛:無作為化比較試験

・咽頭痛は手術後のよくある訴えである。それは患者満足度に影響し、退院後の活動に影響を及ぼし得る。声門上気道器具(SAD)は、従来の気管挿管に代わるものであり、咽喉頭痛を予防する潜在的利益をもたらす。本研究の目的は、ラリンジアルマスク Unique(LMA-U)、より新しい LMA Supreme(LMA-S)および I-gel の 3 種類の SAD 挿入後の咽頭痛の発生率を比較することであった。

・2009 年 4 月から 2012 年 9 月まで、フランスのニームにあるニーム大学病院の麻酔集中治療・疼痛・救急部門での無作為化単盲式対照 3 並行群試験である。全身麻酔下で 2 時間未満の待機的手術を受ける 546 人の患者を、LMA-U、LMA-S、i-gel を挿入されるように無作為に割り当てた。プロポフォールとスフェンタニルを用いて麻酔を導入し、プロポフォールか、空気+酸素+セボフルランで維持した。気道器具挿入後、カフ圧を 60mmHg 未満に調整(LMA-U、LMA-S)し、従圧式換気を開始した。主要評価項目は、LMA-U、LMA-S、i-gel の留置後、術後 24 時間(H+24)の咽頭痛の発生率を比較することであった。副次評価項目は、臨床的性能(気道リーク圧、動的気道コンプライアンス、維持中の合併症)、使用の容易さ(器具挿入所要時間、初回試行の成功率、挿入抜去の容易さ)、その他の有害事象(頚部や下顎の痛み、嘔気、嘔吐)。

・著者らは、LMA-U、LMA-S、i-gel 群の、それぞれ 177 人、174 人、173 人の患者を分析した。主要評価項目は 436 人の患者で評価された。合計で、104 人の患者(23.9%)が、H+24 で咽頭痛を報告し、群間に差はなかった(P=0.34)。H+24 での液体による嚥下障害は、LMA-S(12.1%)の方が、LMA-U(5.3%)、i-gel(2.9%)と比較して多かった(P=0.0065)。気道リーク圧(cmH2O)は、i-gel[26(20-30)]、LMA-S[25(21-30)]と比較して、LMA-U[21(18-27)]の方が低かった(P<0.0001)。器具挿入所要時間(秒)は、LMA-U[34(23~48)]および LMA-S[32(22~50)と比較して、i-gel[30(20~40))]の方が短かった。

・術後咽頭痛の発生率は、調査した 3 種の SAD 間で有意差はなかった。

[!]:声門上気道器具は、気管挿管よりはかなり低侵襲ではあるが、挿入後の咽頭痛は、4 人に 1 人くらいで発生している。やはり必要のない症例(側臥位の THA とか)では挿入は控えた方が、患者さんには優しい。

【出典】
Sore throat following three adult supraglottic airway devices: A randomised controlled trial.
Eur J Anaesthesiol. 2017 Jul;34(7):417-424. doi: 10.1097/EJA.0000000000000539.

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