吸入麻酔および静脈麻酔後の癌手術の転帰:系統的レビュー

・周術期の因子はおそらく、異なる腫瘍学的転帰に必須である。この系統的レビューでは、吸入麻酔(INHA)と完全静脈麻酔(TIVA)による癌手術後の全死亡率と術後合併症に関する文献を調査する。

・PRISMA ガイドラインにしたがって、癌手術を受けた患者に関する研究で、TIVA を INHA と比較した研究を含む検索が行われた。2 人の研究者がPubMed、Scopus、EMBASE、Cochrane Library データベースで、関連する論文を確認した。Cochrane Collaboration のバイアスリスク評価ツールを使用して、エビデンスの質を評価した。

・合計 10,696 人の患者を含む 8 件の研究が含まれた。4 件の研究で全死亡に関するデータが報告され、4 件の研究で術後合併症に関するデータが報告された。エビデンスは中程度から高度のバイアス・リスクがあると評価された。3 件の後ろ向き研究では、いくつかの交絡因子に対して調整したハザード比(HR)が示された。1 件の研究では、INHA 後の全死亡率が増加し、HR=1.47(95%CI 1.31-1.64、p<0.001)と報告されているが、別の研究では TIVA 後の全死亡率が低下する傾向が報告されている(HR 0.85,95%CI 0.72-1.00、p=0.051)。第 3 の研究では、全死亡率に差は認められなかったが、TIVA 後の無再発生存期間が延長され、HR=0.48(95%CI 0.27-0.86、p=0.014)であった。ある研究では、肺合併症の割合は、TIVA と比較して INHA 後に有意に高かったが、他の術後合併症は同等であった。

・現在のところ、TIVA が癌手術において好ましい麻酔選択肢である可能性があることを示す、傾向調整後の 4 件の後向き研究が存在する。しかしながら、エビデンスは現在のところ質が低く、さらなる調査のために無作為化臨床試験が必要である。

【出典】
Outcomes of cancer surgery after inhalational and intravenous anesthesia: A systematic review.
J Clin Anesth. 2017 Nov;42:19-25. doi: 10.1016/j.jclinane.2017.08.001. Epub 2017 Aug 7.

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