小児腹腔鏡手術中の脱気誘発性低血圧を予測するための輸液反応性の動的変数の評価

・小児患者の腹腔鏡手術中に、循環血液量低下や腹腔内圧の解除による消化管の静脈容量の急速増加によって、腹腔内脱気後に突然の低血圧が起こることがある。本研究では、気胸中の輸液反応性の動的変数が、脱気後低血圧の発生を予測できるかどうかを調べた。

・合計1 20 人の小児被験者を前向きに登録した。予測因子は、最初の 83 人の被験者から得られ、その後、37 人の高リスク被験者において検証された。気腹中の脈波変動指標(PVI)、パルスオキシメトリーの脈波波形の呼吸性変動(ΔPOP)、収縮期血圧変動、脈圧変動を、脱気 1 分前に取得した。脱気誘発性低血圧の予測因子は、多変数ロジスティック回帰分析を用いて調査した。予測可能性は、ROC 曲線下面積(AUC)を用いて評価した。

・導出コホートでは、27 %(n=23)の被験者が低血圧を発症した。ΔPOP のみが予測因子であることが判明し、脱気誘発性低血圧の高い予測可能性を示した(AUC 0.87、P<0.0001,95% 信頼区間(CI):0.78-0.93)。ΔPOP のカットオフポイント 38% が、低血圧を予測する感度は 83%、特異度は 90% であった。検証コホートでは、被験者の 43%(n=16)が低血圧を発症し、ΔPOP は低血圧の発生を高度に予測することが確認された(AUC 0.90、P<0.0001,95%CI:0.76-0.98)。低血圧を予測するための ΔPOP カットオフポイントの感度と特異度は、それぞれ 88% と 90% であった。

・気腹中のΔPOP は、小児腹腔鏡手術中の脱気誘発低血圧の予測に有用である。

【出典】
Assessment of dynamic variables of fluid responsiveness to predict desufflation-induced hypotension during paediatric laparoscopic surgery.
Br J Anaesth. 2017 Nov 1;119(5):956-963. doi: 10.1093/bja/aex172.

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この記事へのコメント

anes
2017年11月05日 15:20
数日間お休みされたのは私が見始めて以来2度目なので心配になりコメントさせていただきました。
いつも楽しみにしております。
SRHAD-KNIGHT
2017年11月06日 07:16
ご心配をおかけしてすみません。3日間もさぼってしまいました。日本臨床麻酔学会に出席しておりましたもので・・・。今後ともよろしくお願いいたします。
anes
2017年11月06日 20:34
こちらは忙しい時はまとめて読んだりしているのに(しかも日本語訳を・・・)何か催促してしまいすいませんでした。
また再開しておりほっとしました。

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