腹腔鏡手術を受ける患者における声門上気道器具と気管チューブの比較:系統的レビューとメタ分析

・腹腔鏡手術を受ける患者で、声門上気道器具(SGA)と気管チューブ(ETT)の有効性の比較は、相反する結果をもたらした。そこで、本メタ分析で、著者らは腹腔鏡手術における SGA と ETT 挿入の間で、臨床成績と合併症の発生率を比較した。

・MEDLINE、EMBASE、Controlled Trials Cochrane中央登録簿、Google Scholar を使用して、腹腔鏡手術で SGA と ETT とを比較した無作為化比較試験を特定した。

・合計で、17 件の研究からの 1433 人の患者が最終分析に含められた。 SGA と ETT は、初回試行挿入成功率(相対リスク[RR]1.01、95%信頼区間[CI] 0.99~1.03)、挿入時間(標準化平均差 1.57、95%CI -3.74~0.61)、口腔咽頭リーク圧(OLP)(平均差 -2.54、95%CI -7.59~2.50)に差はなかった。酸素飽和度低下(RR 3.65、95%CI 1.39-9.62)、胃への送気(RR 0.90、95%CI 0.48-1.71)、逆流(RR 0.98、95%CI 0.02-49.13)、誤嚥(RR 0.99、95%CI 0.01~78.4)の発生率にも群間差はなかった。しかし、喉頭痙攣(RR 3.12、95%CI 1.29~7.52)、抜去時の咳嗽(RR 6.68、95%CI 4.70~9.48)、嚥下障害(RR1.47、95%CI 1.12~1.95)、発声障害(RR 4.41、95%CI 1.25~15.55)、咽喉頭痛(RR 1.60、95%CI 1.33~1.93)、嗄声(RR 1.53、95%CI 1.29-1.81)は、SGA 群よりも ETT 群のほうが高かった。

・ETT 群のほうが SGA 群よりも、喉頭痙攣、覚醒時の咳嗽、嚥下障害や発声障害、咽喉頭痛、嗄声の発症率が高かった。しかし、初回試行での挿入成功率、挿入所要時間、OLP、他の合併症については群間に差はなかった。したがって、SGA のほうが、腹腔鏡手術においては効果的な気道として臨床的に有用である可能性がある。

[!]:腹腔鏡下手術では、そろそろ気管挿管はやめて ラリマにするかな。しかし、それならプロシールにした方が良いのだろうな。

【出典】
Comparison between supraglottic airway devices and endotracheal tubes in patients undergoing laparoscopic surgery: A systematic review and meta-analysis.
Medicine (Baltimore). 2016 Aug;95(33):e4598. doi: 10.1097/MD.0000000000004598.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
かわいい

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 《レビュー》 腹腔鏡手術には第二世代の SGA を!

    Excerpt: 従来の開腹手術に比べて、腹腔鏡手術は、手術侵襲が格段に少なくなったが、麻酔管理は従来と変わらず気管挿管で管理されていることが多いようだ。患者体位を頭低位(トレンデレンブルグ体位)とし、気腹を行うことが.. Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2019-05-24 09:39