気管チューブカフ膨張に際し受動開放法と最少閉塞量法の比較

・適切な圧での気管チューブカフの膨張は重要な処置である。受動開放法(PRT)は、カフを膨張させるための有用で便利な方法である。今日まで、この方法を、カフ膨張のための最も一般的に使用される方法の 1 つである最少閉塞量法(MOVT)と比較した研究は報告されていない。2 つの方法の有効性、難易度、嗜好性の比較のために本調査を行った。

・参加者が各方法を一度に 1 回ずつ使用する、前向き交叉無作為化研究を実施した。参加者は、2 つの方法の使用についての短い教育を受けた後、人体に挿入された気管チューブのカフを膨らませた。各方法を用いてカフを膨張させた後、膨張したカフの圧と容積を、それぞれ携帯型圧測定器とシリンジを用いて測定した。次に、視覚アナログスケール(VAS)を用いて各手法の難易度を調べ、各手法の嗜好度を調べた。

・合計で 47 人の参加者が本研究に登録された。2 つの方法間の平均圧は統計的に差がなかった(p=0.27)。しかし、PRT 群と MOVT 群の参加者で、それぞれ 37 名(78.7%)と 16 名(34.0%)で適切な圧が達成された(p<0.01)。平均容積は、PRT 群では 6.0±0.4ml 、MOVT 群では 5.7±0.6ml であった(p<0.01)。難易度の VAS スコアは、PRT 群で 17.7±15.8、MOVT 群で 76.0±15.8 であった(p<0.01)。PRT を好ましいとしたのは 46 人(97.9%)、MOVT を好んだのは 1 人(2.1%)であった。

・PRT のほうが、MOVT よりもカフ膨張のためのより簡単で、より好ましい、より効果的な方法である。
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[!]:受動開放法(シリンジでカフエアを多めに入れて内筒が押し返されて止まったところでシリンジを外す)のほうが、最少閉塞量法(気道内圧を 20-25cmH2O に維持しつつカフエアを注入していきリークのない最少量とする)よりも優れていると。使用するシリンジ次第だが・・・。本研究では、10ml ディスポシリンジ(BD medical、Temse、Belgium)を使用している。最少閉塞量法では、回路内圧を一定に維持しながカフ注入を行っていかないといけないので、厳密な回路内圧の維持、カフにエアをを注入していくスピード、リークがなくなったと判断するタイミングなど誤差を生じるポイントが複数存在するために、術者間・術者内の再現性が乏しくなってしまうのだろう。

【出典】
A Comparison of Passive Release Technique and Minimal Occlusive Volume Technique for Endotracheal Tube Cuff Inflation
Journal of The Korean Society of Emergency Medicine 2013;24(1): 95-100.

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