末梢神経ブロックに際して神経周囲に投与されたデキサメタゾンの方が静脈内投与した場合よりも効果的だ

デキサメタゾン3.png・末梢神経ブロック(PNB)は、様々な術式で、急性期術後疼痛管理が良好であることから広くかつますます使用されている。臨床的に防腐剤を含まないデキサメタゾンは、おそらく最も一般的に使用される補助薬であり、PNB に対して最も最適化効果を提供するが、副作用はほとんどない。著者らの目的は、PNB の有効性と安全性に及ぼす静脈内 vs 神経周囲デキサメタゾンの効果を比較することであった。

・主なデータベース(PubMed、EMBASE、Cochrane ライブラリー、ISI Web of Science、Google Scholar)を、PNB に及ぼす静脈内 vs 神経周囲デキサメタゾンの有効性を比較した無作為化比較試験について系統的に検索した。研究特性、術中事象、鎮痛持続時間、知覚ブロックの持続時間、運動ブロックの持続時間、24 時間後の疼痛スコア、オピオイド消費量、術後悪心嘔吐を含む術後転機を記事から抽出した。メタ分析は、ランダム効果モデルを用いて実施した。

・このメタ分析には合計 937 人の患者(静脈内:464 人、神経周囲:473 人)を含む 13 件の無作為化比較試験が含まれた。神経周囲デキサメタゾンは、鎮痛(標準化平均差[SMD]、0.48 時間、95%信頼区間[CI]、0.18-0.79)と知覚ブロック(SMD、0.74、95%CI、0.53-0.94)持続時間を有意に延長した。4~5mg を使用した研究のサブ群において、著者らは、神経周囲デキサメタゾンは静脈内デキサメタゾンと比較して、例外なく鎮痛を延長するのにより効果的(SMD、0.48 時間; 95%CI、0.24~0.72)であることが分かったが、デキサメタゾン≧8mg の要領を使用した倍には、静脈内と神経周囲デキサメタゾンで有意差がなかった(SMD、0.33 時間、95%CI、-0.11~0.77)。神経周囲デキサメタゾンは、運動ブロック持続時間の延長、疼痛スコアの減少、オピオイド消費量の減少、術後悪心嘔吐の減少という点で同様に多くの利益をもたらした。

・本研究は、神経周囲に投与したデキサメタゾンは、静脈内注入と比較して、鎮痛効果が良好であることを確認しただけではなく、全身的吸収だけでは、PNB の優れた質を説明できないことから、デキサメタゾンの疼痛調節機構の 1 つとして、デキサメタゾンと神経との局所相互作用の仮説を暗に支持した。

[!]:局所投与によって少量で効果が期待できるのは、ほぼ普遍的なのではないかな。局所投与が不可能であれば全身投与せざるを得ないが、局所投与の機会やルートがすでに存在して、かつその薬物投与の目的が局所作用なのであれば局所投与が優れているに決まっている。

【出典】
Dexamethasone Injected Perineurally is More Effective than Administered Intravenously for Peripheral Nerve Blocks: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
The Clinical Journal of Pain: March 2018 - Volume 34 - Issue 3 - p 276-284

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