Q:筋弛緩薬の感受性とは?

A:人体には多くの筋肉が存在しており、骨格筋だけで約 400 個もあるとされている。人体に非脱分極性筋弛緩薬を投与した時に、すべての筋肉に同程度に筋弛緩効果が現れるわけではなく、ある筋肉には筋弛緩効果が強く現れ、また別の筋肉には、筋弛緩効果が少ししか現れない。

筋弛緩薬は骨格筋に一様に効くのではなく、四肢筋にはよく効く(感受性が高い)が、呼吸筋には効きにくく(抵抗性がある)、回復は最も速い。これが、Respiratory sparing effect(呼吸回避効果) という現象である。

なぜ、このようなメカニズムが生体に備わっているのかは定かではないが、おそらく哺乳類の進化の過程で、自然獲得されていったものなのだろう。自然界で非脱分極性筋弛緩剤に相当する毒(クラレなど)に曝されたときに、四肢に麻痺が現れて、たとえ一時的に動けなくなったとしても、呼吸筋だけでもわずかに動いてくれていれば、一命を取り留めるチャンスが増えるからではないだろうか。

筋弛緩モニターを使用しながら、麻酔管理を行う場合、通常は、測定のし易さから、手の拇指がもっとも広く用いられており、尺骨神経を刺激して拇指内転筋の動きをモニターする。しかし、この筋肉の弛緩度や回復度は、全身のすべての骨格筋を代表するものではない。

筋弛緩薬の効き難い筋肉は、回復が速く、逆に筋弛緩薬の効き易い筋肉は、回復が遅くなる。呼吸筋である横隔膜は、拇指内転筋よりも弛緩度は弱く、回復はずっと速い。逆に咽頭筋や咬筋は拇指内転筋よりも弛緩度が強く、回復は遅れがちとなる。
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