気管チューブカフの潤滑化が術後咽頭痛および嗄声に及ぼす影響

・気管挿管を受けた患者では、咽頭痛や嗄声がよくある術後合併症である。本研究では、気管挿管後の 60 人の患者の術後咽頭痛の程度と嗄声の発生率を評価した。

・全身麻酔と気管挿管を予定された 60 人の患者(ASA PS 1,2)、29 人の男性と 31 人の女性を本研究に登録した。彼らは 3 群に分けられた。噴霧群(n=20)ではリドカイン 4% を気管に噴霧した。潤滑群(n=20)では、気管チューブの遠位端を、2% リドカインゼリーで潤滑した。非介入群(n=20)では気管チューブへの介入は実施しなかった。全身麻酔終了時と翌日に各群の咽頭痛の視覚的アナログスケール(VAS)と嗄声の発生率を評価した。

・麻酔終了時の咽頭痛スコアは、噴霧群で 9.2±3.4mm、潤滑群で 27.8±5.7mm、非介入群で 11.8±4.4mm であった。翌日の VAS スコアは、噴霧群では 2.5±1.4mm、潤滑群では 14.0±4.3mm、非介入群では 2.2±1.7mmであった。麻酔終了時および麻酔後翌日の VAS スコアは、潤滑剤投与群で有意に高かった(P<0.05)。しかし、嗄声については 3 群間に有意差はなかった。

・本研究では、麻酔終了時と翌日の VAS スコアは、潤滑剤投与群ではいずれも有意に高かった。さらに、噴霧群と非介入群との間で VAS に有意差はない。これらのデータは、気管チューブへのリドカインゼリー潤滑化が咽喉頭痛の重症度を増強することを示唆している。一方、噴霧群と非介入群との間で VAS に有意差はなかった。これは、気管に散布されたリドカインが術後咽頭痛を軽減しないことを示唆している。

[!]:ちょっと古いが「麻酔」に掲載された論文。少なくとも気管チューブにリドカインゼリーは塗布するべきではなく、何もしない方が良いという結果。

【出典】
[Influence of endotracheal tube cuff lubrication on postoperative sore throat and hoarseness].
Masui. 2009 Mar;58(3):342-5.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック