両側全膝関節置換術後の硬膜外鎮痛にフェンタニル+ロピバカインとフェンタニル+ブピバカインを比較

・膝関節全置換術(TKR)後の疼痛は、早期リハビリテーションを妨げる。TKR 後の患者での硬膜外ブピバカインの使用は有効な鎮痛に関連するが、関連する運動遮断効果は機能回復を遅らせる。著者らは、0.1% ロピバカイン±フェンタニル 2.5μg/mL vs 0.0625% ブピバカイン+フェンタニル 2.5μg/mL を使用した術後患者管理硬膜外鎮痛(PCEA)の鎮痛有効性と副作用を両側 TKR 患者で比較した。

・手術室、術後回復室、関節置換監視室での前向き二重盲式無作為化研究で、0.1% 単味ロピバカイン(1 群)、0.1% ロピバカイン+フェンタニル 2.5μg/mL(2 群)、0.0625 ブピバカイン+フェンタニル 2.5μg/mL(3 群)を術後 PCEA で投与されるよう無作為に割り当てられた 90 人の ASA-PS I/II の TKR 患者を対象とした。術後、PCEA の設定は、基礎流量=4mL/h、ボーラス投与量=6mL、ロックアウト間隔=20 分に標準化された。「レスキュー」鎮痛には、PCEA 投与以上の各試験薬物の硬膜外ボーラス(6mL)が含まれた。術後疼痛プロファイル、使用された全 PCEA 薬物、心拍数、非観血血圧、副作用、患者満足度が記録された。

・3 研究群では、人口統計的パラメーター、手術時間、血行動態変数(心拍数と非観血血圧)は同等であった。ロピバカイン単味群では、疼痛スコアとレスキュー鎮痛薬必要量が高かった。運動遮断は ブピバカイン+フェンタニル群で最大であった。術後、「ロピバカイン+フェンタニル」と「ブピバカイン+フェンタニル」群ではの軽微な副作用(悪心、掻痒感)があったにもかかわらず、これらの群に属する患者の方が満足していた。

・両側 TKR 後、PCEA システムを介して投与されたロピバカイン+フェンタニルの併用は、ロピバカイン単独(疼痛軽減が少ない)とブピバカイン+フェンタニル(疼痛軽減あるも付随する運動遮断を伴う)よりも優れた鎮痛有効性、すなわち、運動遮断することなく疼痛軽減を得る結果となった。全体的に、硬膜外局所麻酔薬へのフェンタニルの添加は、良好な術後鎮痛プロフィールと患者満足度を得ることができ、オピオイド関連副作用の発生率は少なかった。

[!]:ブピバカインは 0.0625% と 同じ力価になるように、ロピバカインよりも濃度が薄い物を使用しているが、運動遮断が強かったようだ。やはり、ロピバカインの方が知覚運動遮断の解離性がよいのかな。

【出典】
Comparison of ropivacaine with and without fentanyl vs bupivacaine with fentanyl for postoperative epidural analgesia in bilateral total knee replacement surgery.
J Clin Anesth. 2017 Feb;37:7-13. doi: 10.1016/j.jclinane.2016.08.020. Epub 2016 Dec 22.

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