筋弛緩薬使用後の麻酔後の肺合併症(POPULAR):多施設前向き観察研究

・後ろ向き的研究の結果は、全身麻酔中の筋弛緩剤の使用が術後肺合併症と関連している可能性があることを示唆している。そこで、著者らは、筋弛緩剤の使用が術後肺合併症と関連しているかどうかを評価することを目的とした。

・著者らは多施設共同で、前向きの観察コホート研究を行った。患者は、欧州 28 カ国の 211 施設の病院から募集された。心臓手術以外の全ての入院手術で全身麻酔を受けた患者(年齢 18 歳以上)を対象とした。退院時の患者の特徴、手術と麻酔の詳細、および診療録レビューは、2 週間にわたって前向きに収集された。さらに、各患者は手術後 3 日以内に術後の身体検査を受け、有害な肺事象を検査した。研究の評価項目は、手術終了から術後 28 日までの術後肺合併症の発生率であった。ロジスティック回帰分析は、外科的要因と患者の術前身体状態を調整し、調整オッズ比(ORadj)と調節絶対リスク減少(ARRadj)を得た。

・2014 年 6 月 16 日から 2015 年 4 月 29 日までに、22803 人の患者のデータが収集された。筋弛緩薬の使用は、全身麻酔を受けた患者の術後肺合併症の発生率の増加と関連していた(1658/21694 [7.6%])(ORadj 1.86、95%CI 1.53-2.26; ARRadj -4.4%、95%CI -5.5~-3.2)。高リスク手術患者の 2.3% と有害な呼吸プロファイルを有する患者のみが、筋弛緩剤なしで麻酔をかけられた。神経筋モニタリング(ORadj 1.31、95%CI 1.15-1.49、ARRadj 2.6%、95%CI3.9-1.4)と拮抗薬投与(1.23~1.07-1.41; -1.9%、-3.2~-0.7)は、術後の肺合併症リスクの低下と関連していなかった。拮抗にネオスチグミンの代わりにスガマデクスを選択した場合(ORadj 1.03、95%CI 0.85-1.25、ARRadj -0.3%、95%CI -2.4~1.5)も、TOF 比≧0.9(1.03、0.82~1.31; -0.4%、-3.5~2.2)も良好な肺転帰と関連していなかった。

・著者らは、全身麻酔における筋弛緩剤の使用は、術後の肺合併症のリスク増加と関連していることを示した。麻酔科医は、筋弛緩の潜在的利益と術後肺合併症リスクのバランスをとる必要がある。

[!]:こんなことも今までエビデンスがなかったのかな?

【出典】
Post-anaesthesia pulmonary complications after use of muscle relaxants (POPULAR): a multicentre, prospective observational study.
Lancet Respir Med. 2018 Sep 14. pii: S2213-2600(18)30294-7. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30294-7. [Epub ahead of print]

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