股関節骨折のある高齢者の心肺合併症に及ぼす麻酔の効果

・研究の目的は、片側股関節部骨折手術を受けた年齢 80 歳以上の患者の術後心肺合併症に及ぼす各種麻酔の影響を比較することであった。

・2009 年 7 月から 2014 年 6 月まで、北京連合医科大院病院で片側股関節骨折手術を受けた年齢 80 歳以上の患者の周術期データを収集し、全身麻酔、脊柱管麻酔、末梢神経ブロックなどの麻酔の種類に基づいて分類した。術前の全身状態(年齢、性別、骨折の種類、ASAーPS、術前心肺合併症)、術中状態(手術の種類、手術時間、出血量、術中総輸液量)、術後状態( ICU 在室、術後新規発症心肺合併症、術後院内死亡、入院費用など)を含めて変数を分析した。各群の術後の心肺合併症の発生率を分析し比較した。

・全身麻酔(n=46)、脊柱管麻酔(n=90)、末梢神経ブロック群(n=83)を含む合計 219 症例が最終的に分析された。脊柱管麻酔群(45 例、50%)、脊柱管ブロック群(47例、56.6%)よりも全麻酔群(15 例、32.6%)の方が術前肺合併症の頻度が低かった(χ2=6.912、P=0.032)。術前の心血管合併症および他の変数に関して群間に統計学的差異は見られなかった。術後の心肺合併症に有意差はなかった。しかし、入院費用は脊柱管麻酔群(45.6±21.4)人民元と、末梢神経ブロック群(48.2±25.8)人民元の方が、全身麻酔群(56.3±21.6)人民元に比べて少なく、その差は統計的に有意であっ(F=9.951、P=0.007)。

・片側股関節手術を受ける高齢患者では、麻酔の種類は術後心肺合併症の発生率に影響しない。しかしながら、脊柱管麻酔と末梢神経ブロックは、入院費用を低減する可能性がある。

[!];術前に肺合併症のある症例では、やはり相対的に全身麻酔よりは脊柱管麻酔や末梢神経ブロックを選択する症例が多いのだな。

【出典】
Effect of anesthesia on cardiopulmonary complications in elderly patients with hip fracture.
Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 2018 Oct 30;98(40):3240-3243. doi: 10.3760/cma.j.issn.0376-2491.2018.40.005.

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