未破裂脳動脈瘤のある患者で全身麻酔を必要とする手術に伴う動脈瘤性くも膜下出血の発症頻度

・動脈瘤破裂を誘発する上での全身麻酔の役割は明確ではない。本研究では、著者らは、全身麻酔を必要とする非動脈瘤関連の手術を受ける患者で、未破裂動脈瘤の自然経過を評価することを目的とした。

・手術記録に全身麻酔の記録があり、脳動脈瘤とは無関係の手術を受けた未治療脳動脈瘤を有する連続患者の後ろ向きレビューである。術中と術後のくも膜下出血の事象を記録して、破裂の発生率を決定した。

・134 個の未処置の動脈瘤を有する 110 人の患者を研究した。平均年齢は 56.5 歳(範囲は 17~92 歳)、女性は 68%(n=75/110)であった。動脈瘤の平均サイズは 3.5 mm(範囲 1.5~17)であった。全身麻酔下で計 208 回の手術が実施された。5.7 年間の経過追跡でくも膜下出血の発症事例はなかった。

・今回の研究では、全身麻酔は動脈瘤破裂を誘発することはなく、経過観察期間中にくも膜下出血の例はなかった。著者らの結果は、動脈瘤とは無関係の全身麻酔を受ける場合、動脈瘤についての自然経過は良性であることを示唆している。しかし、これは、被験者数が少なく後ろ向きの研究デザインであるという制限があるため、注意して解釈する必要がある。

[!]:未破裂脳動脈瘤があるからと言って、ちょうとタイミングよく周術期に破裂することなんてほとんどないだろう。逆に周術期でない日常生活の方が、脳血管に強いストレスが加わる可能性は高いだろう。しかし、以下のような最近の報告もあるので、術中の高血圧はやはり避けなくてはならないだろう。

フェニレフリン点眼薬の全身吸収後の患者におけるくも膜下出血
Subarachnoid hemorrhage in a patient following systemic absorption of phenylephrine eye drops.
J Anaesthesiol Clin Pharmacol. 2018 Jul-Sep;34(3):423-424. doi: 10.4103/joacp.JOACP_282_17.

【出典】
Incidence of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage with Procedures Requiring General Anesthesia in Patients with Unruptured Intracranial Aneurysms.
Interv Neurol. 2018 Oct;7(6):452-456. doi: 10.1159/000490582. Epub 2018 Jul 18.

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