頭頸部外科手術後の回復経過に及ぼすレミフェンタニルの効果:前向き研究

・レミフェンタニルに起因する周術期のオピオイド耐性の発症は、依然として議論の余地がある。頭頸部外科手術を受けた患者でレミフェンタニルによるオピオイド耐性とその他の有害作用の発生を評価した。

・著者らは、ASAーPS I~III で、待機的頭頸部手術のために約 2 時間の全身麻酔を受けた成人参加者を募集した。ある群ではレミフェンタニル持続注入を用い、別の群では間欠的なモルヒネまたはフェンタニルのボーラス投与を行った。麻酔回復室(PACU)で、術後疼痛を、モルヒネとフェンタニルの間欠的ボーラスで治療し、数値評価尺度スコア 3 を達成した。オピオイド必要量をオピオイド耐性の指標として評価した。患者はまた、PACU から退室する時間も評価した。

・著者らは、年齢 21 歳から 80 歳の 222 人の成人を分析した。レミフェンタニル注入とモルヒネボーラスの併用を受けた患者は 111 人で、術中にフェンタニルおよび/またはモルヒネボーラスのみを投与された患者は 111 人であった。レミフェンタニル群の 51 人の患者とフェンタニル/モルヒネ群の 25 人が、 PACU でオピオイドを必要とした。フェンタニル/モルヒネ群と比較して、レミフェンタニル群の方が、オピオイド必要量は有意に多く(平均±SD、44.98±59.7 vs 20.23±46.66mcg/kg、P=0.001)、PACU からの退室に要した時間は有意に長かった(平均±SD、88.6±39.5 分、vs 73.1±38.4 分、P<0.001)。2 群間で副作用の発生率に差は認められなかった。

・通常使用する臨床用量では、術中レミフェンタニル注入は術直後期にオピオイド消費量を増加させるようである。これは、待機的頭頸部手術を受ける患者の PACU からの退室を遅らせる結果となり得る。

[!]:術中のレミフェンタニル投与は、完全なストレスフリーを提供するかもしれないが、それがかえって麻酔覚醒後の知覚過敏→オピオイド投与必要量の増加→回復の遅れとなるのなら、術中からややストレスに曝して、疼痛抑制系を活性化しておくのも必要なのかもしれない。

【出典】
Effect of remifentanil on the recovery profile after head and neck surgeries: A prospective study.
J Anaesthesiol Clin Pharmacol. 2018 Jul-Sep;34(3):307-313. doi: 10.4103/joacp.JOACP_337_16.

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