母体抗凝固療法における帝王切開術に際しての低侵襲性脊椎麻酔:無作為化対照試験

・妊娠中の抗凝固療法は、母体の凝固亢進に対する意識が高まっているため広く使用されている。これらの分娩における低侵襲性脊椎麻酔の使用を報告した研究はほとんどない。本研究の目的は、帝王切開を受ける抗凝固療法中の妊婦で、低侵襲性脊椎麻酔の安全性と妥当性を評価することであった。

・これは、抗凝固剤を使用し、待機的帝王切開術を受ける 239 人の妊婦で実施された無作為化比較試験であった。37 人の妊婦が取りやめ、最終的に、妊婦は 27 ゲージのペンシル型細い脊椎麻酔針(実験群、n=110)と、22 ゲージの伝統的な脊椎麻酔針(対照群、n=92)を用いて脊椎麻酔を受けた。主要有効性評価項目は、分娩後の腰痛(LBP)と硬膜穿刺後頭痛(PDPH)を含んだ。副次有効性評価項目は、くも膜下穿刺時の視覚アナログスケール(VASdural)、末梢静脈穿刺時の視覚アナログスケール(VAS)と VASdural の差(ΔVAS)、術後 24、48、72 時間後の VAS(それぞれ VASdural-24h、VASdural-48h、VASdural-72h)、母体満足度、入院期間であった。

・2 群で、妊婦は誰も PDPH を発症せず、脊髄または頭蓋内血腫が疑われた妊婦もいなかった。2 群間で VASlbp-24h、VASlbp-48h、VASlbp-72h に有意差はなかった(それぞれ P=0.056、P=0.813、P=0.189)。実験群では、VASdural(P=0.017)、ΔVAS(P=0.001)、VASdural-24h は低く(P<0.0001)、母体満足度は高かった(P=0.046)。VASdural-48h、VASdural-72h、排尿機能、筋力回復、入院期間に、両群間に有意差はかった(それぞれ P=0.069、P=0.667、P=0.105、P=0.133、P=0.754)。

・低侵襲脊椎麻酔のほうが、VASdural、VASdrual-24h が低く、母体満足度が高かった。それ故、それは血小板数と凝固時間が正常である母体抗凝固療法中の帝王切開分娩に際して、安全で信頼でき、合理的な選択肢と考えられる。

[!]:抗凝固療法中であっても、血小板数と凝固時間が正常なら、脊椎麻酔は安全に施行できる。できれば細い針の方が安心ではある。

【出典】
Minimally invasive spinal anesthesia for cesarean section in maternal anticoagulation therapy: a randomized controlled trial
BMC Anesthesiology 2019 19 : 11

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