急性呼吸窮迫症候群を伴う重症外傷小児の合併症率と死亡率

・研究の目的は、急性呼吸窮迫症候群を伴う重症外傷小児の合併症率と死亡率を評価することであった。

・国立外傷データバンクに参加しているレベル I/II の成人または小児外傷センター 460 施設での後ろ向きコホート研究である。2007 年から 2016 年までに年齢 18 歳未満の患者 1,446 万 588 人が 外傷性損傷を伴って ICU に入室した。

・著者らは、急性呼吸窮迫症候群のある患者群とない患者群で院内死亡率と退院後ケアの必要性と、生存者での病院医療資源利用と退院後の移転先を評価した。

・背景となる死亡リスク(年齢、外傷重症度スコア、重篤な脳または胸部損傷、入院時の心拍数と低血圧)および受傷年、搬送状況、施設外傷レベルの指定について分析を調整した。急性呼吸窮迫症候群は、2,590 人の患者で発生した(1.8%)。急性呼吸窮迫症候群患者の死亡率は 20.0% で、急性呼吸窮迫症候群のない患者の死亡率は 4.3% で、調整相対リスクは 1.76(95%CI、1.52~2.04)であった。生存した急性呼吸窮迫症候群患者の 44.8% で退院後ケアが必要であったのに対して、急性呼吸窮迫症候群のない患者では 16.0%(調整相対リスク、3.59; 2.87-4.49)であり、急性呼吸窮迫症候群患者の 35.1% のみが自宅退院したのに対して、急性呼吸窮迫症候群のない患者では 79.8% が自宅退院した。急性呼吸窮迫症候群の死亡率は、10 年間の研究期間に渡っても変化しなかった(調整相対リスク、1.01/年; 0.96-1.06)し、退院後ケアを必要とする急性呼吸窮迫症候群患者の割合も変化しなかった(調整相対リスク、1.04/年、0.97-1.11)。急性呼吸窮迫症候群の生存者では、人工呼吸期間、ICU 在室機関、入院期間はすべて有意に長かった。気管切開術は、急性呼吸窮迫症候群の生存者の 18.4% で実施されたのに対して、急性呼吸窮迫症候群のない患者では 2.1% であった(調整相対リスク、3.10、2.59-3.70)。

・小児における外傷性損傷後の急性呼吸窮迫症候群の発症は、損傷の重症度および循環動態異常の調整後であっても、合併症率と死亡率のリスクの有意な増加と関連している。過去 10 年間で転帰は改善しておらず、重症外傷小児での新しい治療的介入、および急性呼吸窮迫症候群の予防戦略の必要性が強調される。

[!]:重症外傷小児で ARDS を伴う場合、その予後はかなり不良となる。

【出典】
Morbidity and Mortality Among Critically Injured Children With Acute Respiratory Distress Syndrome.
Crit Care Med. 2019 Feb;47(2):e112-e119. doi: 10.1097/CCM.0000000000003525.

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